ウェルネスコラム「がん予防を考えるうえで、知っておくとよい事実」

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がん予防を考えるうえで、知っておくとよい事実

2人に1人ががんになると言うが......

新年はじめのコラムなので、少し大きなテーマから始めることにしましょう。

最近、「2人に1人ががんになる時代」とよく聞きます。

そう聞いてどう感じるかは、人にもよると思いますが、すさまじい数字だと思う人は少なくないでしょう。

それでも、実感としては、あまりピンと来ないのではないでしょうか。

それも当然。これは、長い生涯(今や日本人は男女とも80年以上)の中で、「いつかがんになる確率」を統計的に弾き出したものだからです。

今、あなたが周りを見渡したときに、そこにいる半数の人ががんになるなどという意味では、断じてないのです。

がんになりやすい人、そうでない人がいる

しかも、ある人ががんになる確率というものは、単純な統計上の数字では計ることはできません。

「2人に1人ががんになる時代なので、あなたにも、がんになる確率が50%あります」保険会社の宣伝には使えそうですが、そういう言い方は間違いです。

念のため、私は医療保険を否定するつもりはありません。使い勝手のいい民間保険をがん治療に活用するのは、よい方法だと思っています。

ただ、「あなたも50%」などと言う人は、がんというものをよくわかっていないと言いたいのです。

客観的事実として、がんには、なりやすい人と、なりにくい人がいるのです。

遺伝的体質を言っているのではありません。がんは、がんに対する免疫力の低下してしまった人に生じるのです。

がんができるまでにはプロセスがある

また、私は長年、内視鏡医をしてきました。その経験から、がんの発症についてはっきりわかっていることがあります。

慢性的な炎症が、がんの育つ土壌になるということです。

胃の場合、主に加齢とともに増える「萎縮性胃炎」というものがあります。

この炎症は、胃の粘膜が薄くなって、胃の壁が傷つきやすくなることから起こります。

しかし、単なる萎縮性胃炎が、そのままがんに結びつくわけではありません。

炎症を土壌に、びらん(ただれ)を伴う病変が生じ、さらに「腸上皮化生」という細胞の変異(性質を変えること)が起こることが、がんの出発点になるのです。

そのような細胞の変異は、言うまでもなく、炎症によって細胞内の遺伝子が傷つけられることが原因です。

免疫力のアップと炎症の治療がカギ

こうした事実から、「がんにならないためにできること」は、おのずと明らかです。

1つは、言うまでもなく免疫力を高めること。

もう1つは、がんが生じないうちに炎症を治療することです。

もちろん、よく言われるように検診を受けることも大事ですし、胃がんの予防には、ピロリ菌の除去もある程度は有効です。

ただ、それらも炎症治療に関係していることだと言えます。

ですから、大きくくくれば、「免疫力アップ」と「炎症の治療」こそ、誰もが知っておくべきがん対策の2本柱だと、指摘しておきたいのです。

なお、免疫力を高める方法や、がん検診、ピロリ菌の除去についても、またブログで私の考えを述べたいと思います。

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