クリニックコラム「がんの腫瘍マーカー検査の精度の数学的考察」

クリニックコラム

2017年10月11日院長ブログ

がんの腫瘍マーカー検査の精度の数学的考察

がん診断の一助「腫瘍マーカー検査」の精度についての数学的考察がプレジデントオンラインに掲載されていました。


「腫瘍マーカー検査」とは、人間ドックの際にオプションとして受けることが多いがん検査で、がん患者の血液中に多く出る特定の物質の濃度を調べて判断します。


腫瘍マーカー検査は、実際にはがんに罹患(りかん)していないのにも関わらずに陽性反応が出ることが多々あり、検査を受ける際は「80%の確率で陽性反応が出る」と説明を受けます。がんとは違う疾患にかかっているのにも関わらずに陽性反応が出ることもあります。


今回掲載されている考察は、「ベイズ推定」という考え方を使って、腫瘍マーカー検査の確率を数学的に実証していくという面白い取り組みです。

「ベイズ推定」とは、ある事象において、事前に分かっている確率を、後から判明した条件を加えて正確性の精度を上げる、ネット企業で幅広く使われている考え方です。

陽性と判断された人の中で、(1)がんがあり陽性、(2)がんがあるのに陰性、(3)がんがないのに陽性、(4)がんがなく陰性の4つのカテゴリーに区分し、(1)がんがあり陽性と(3)がんがないのに陽性の数の比較をして、陽性と診断された人の中で実際にがんと判断された人の値を出します。

計算してみると陽性と診断された人の中で実際にがんであった人は、わずか3.7%にすぎないことが分かりました。初めに「陽性」と診断された80%から3.7%に下がり、がんと診断された人のうちほとんどはがんではないという結果になりました。


記事でも触れられていますが、実際はがんでなくとも、がんの陽性と告げられたら動揺してしまうものです。

がんの早期発見・早期治療のためにもがん発見の確率を上昇させる腫瘍マーカー検査を有効に使い、がん診断の一助となるように活用していきましょう。


腫瘍マーカーは、がん患者でマーカーが高い場合、治療効果の指標になります。

一方健常者では、偽陽性も偽陰性もあり、腫瘍マーカーだけでがんと診断したりがんを否定したりすることは困難であるというのは、臨床医の常識です。従って受診者は、健診やドックのがんマーカーが上昇してもがんと決めつけることなく、精査して何もなければ心配することはありません。あくまでがんマーカーは、参考程度に留めるのがいいでしょう。


参考URL:http://president.jp/articles/-/23094

がん陽性でも"96%は問題なし"数学的理由――直感と大きく異なる"条件付き確率"


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