コラム「75歳以上のがん患者、「積極的治療を望まない」傾向―国立がん研究センター」

コラム

2017年08月23日院長ブログ

75歳以上のがん患者、「積極的治療を望まない」傾向―国立がん研究センター

国立がん研究センターは、最新統計の結果、75歳以上、85歳以上と高齢になればなるほどがん患者は積極的な治療は望まない傾向にあることを公表しました。


今回の統計は、各都道府県から推薦された病院427施設から回答を得ました。427施設の全がん患者登録数は、702,866件です。今回は胃、大腸、乳房、肝臓、肺の主要5部位に加えて食道、すい臓、前立腺、子宮頸部、子宮内膜、膀胱、甲状腺の7部位を加えた計12部位について、診断時の年齢が40歳以上であった患者の病期分布と病期別の治療方法を集計しました。

下記は肺がんステージ4のときに調査された年齢別の治療方針の一部です。


肺がんⅣ期の例

項目 手術のみ 薬物療法のみ 手術/内視鏡+薬物 治療なし
40~64歳 0.3% 64.7% 1.8% 3.4%
65~74歳 0.5% 65.7% 1.0% 7.6%
75~84歳 1.1% 61.3% 1.2% 15.3%
85歳以上 0.8% 26.6% 0.0% 43.0%

集計の結果、75歳以上のがん患者の数が年を経るごとに増加しており、75歳以上の高齢のがん患者は、ほかの疾患の有無や体の状態から、若い年代と同様の積極的な治療を行なうことが難しい傾向にあることが判明しました。また、Ⅳ期における薬物療法の実施数が85歳以上になると急激に落ち込む理由は、高齢者になればなるほど、薬物療法を実施しても完治が難しいため、患者が治療を希望しないからではないかとみられています。さらに、年齢が高ければ高いほど病状が進んだがん患者が多くなることも判明しました。


さまざまな要因からがんとの闘いが困難になる高齢のがん患者の姿が今回の調査から浮き彫りになりました。今回の調査を踏まえて、医師や専門家がよりいっそう高齢のがん患者の助けとなり、患者の意思を尊重した治療方針が立てられることを祈ってやみません。


今回の集計についてのより詳しいデータは、「国立がん研究センター がん情報サービス」のWebサイトにて公開されています。

http://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/brochure/hosp_c_registry.html


ANK免疫細胞療法を求めて、全国から患者様が来院されます。その中に、85歳の患者様がいました。どうしてもANK免疫細胞療法を受けたいと、家族同伴で静岡から来られたのです。

ANK免疫細胞療法は体に負担がかかるため、まず全身の検査(血液検査、循環器の検査、肺のレントゲン)を行ない、ANK免疫細胞療法を実施する可能性を調べることにしました。

ANK免疫療法であっても、年齢や状態によっては効果に限界があります。体への負担も考慮し、ご高齢の方は治療をお断りすることもあります。

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