コラム「腫瘍化リスクのあるiPS細胞を除去する薬剤を開発―京都大学」

コラム

2017年05月30日院長ブログ

腫瘍化リスクのあるiPS細胞を除去する薬剤を開発―京都大学

参考URL:http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG18H7Q_Y7A510C1CR8000/

「がん化の恐れあるiPS細胞、2時間で除去 京大が薬剤 」


京都大学の教授らは2017年5月18日、iPS細胞の中からがんになる可能性がある細胞をおよそ2時間で除去できる薬剤を開発したことを発表しました。


今回新たな薬剤を開発したのは、京都大学の斉藤博英教授ら。開発した薬剤については、アメリカの科学誌『Cell Chemical Biology』の電子版に発表されました。マウスの精巣にiPS細胞を移植今回発表された薬剤を用いれば、iPS細胞を移植治療に活用する際の安全性を高めることができます。


実験では、マウスの精巣が用いられました。iPS細胞をマウスの精巣に移植し、薬剤を混ぜたものと混ぜていないものとを比較しました。すると、薬剤を混ぜた精巣では腫瘍ができなかったに対し、薬剤を混ぜていない場合では、精巣8つのうち7つに腫瘍が発生しました。


従来iPS細胞から細胞を作って移植する際には、変化しないまま残存したiPS細胞が腫瘍化する危険性がありました。変化しないまま残存したiPS細胞は高価な機械を使って除去されており、より安価で容易な手段が求められていたのです。

今回斉藤博英教授らのチームが新たに開発したのは、"ペプチドD-3"とよばれる、アミノ酸の集まりでできた化合物です。


iPS細胞は、がん幹細胞と酷似していてがん化しやすいことが問題でした。そのため、万が一がん化してもすぐ除去できるように目の角膜や皮膚にしか臨床応用できなかったのです。もしこの事実が本物であればあらゆる組織に臨床応用が拡大できるため、画期的な発明といえるでしょう。

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