ウェルネスコラム「郵送がん検診のデメリット」

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郵送がん検診のデメリット

がん治療において最も重要ともいえるのが、「早期発見・早期治療」です。

早期発見のために受診が推奨されるがん検診ですが、多忙を理由にしばらく受けていないという方も多いのではないでしょうか。

そんな方のために、なんと「郵送」でのがん検診を取り入れる自治体が登場しています。

郵送のがん検診が対応しているのが、肺がん、子宮頸がん、前立腺がん、大腸がんなど。

肺がんは痰(たん)を、子宮頸がんは頸部の細胞の一部を、前立腺がんは血液を、大腸がんは便を受診者自身が採取し、郵送します。

平成26年度から郵送での大腸がん検診を実施手いる高知県健康対策課では、40代~50代の世代の受診が、導入前と比較して8000人も増加したとのことです。

また、神戸市の平成28年度の郵送がん検診では、郵送検診の受診者が通常の検診の受診者を上回っています。

特に、多忙のあまり通常のがん検診から足が遠のいていた方には朗報と思われる郵送がん検診ですが、もちろんメリットばかりではありません。

たとえば子宮頸部については、医師による内診と受診者自身での細胞摂取とでは、異なった結果になる可能性も捨てきれないでしょう。

大腸がんについては、郵送すると採取から検査までの期間が長くなります。通常の検体と郵送の検体とでは状態が異なると考えたほうがいいでしょう。

もちろん何の検査を受診しないよりは、郵送検診でもいいから受けたほうがいいと考えられるかもしれません。しかし、がんではなく健康なのに手違いでがんだと診断されてしまったり、最悪の場合、がんなのにがんではないと診断されてしまったりして、早期発見・早期治療ができず、さらに悪い結果を招いてしまうことにもなりかねません。

郵送がん検診は、多忙などで検診を受けられない人にとって貴重な機会であると思います。しかし、簡便な方法には落とし穴があり正確性を欠くことは否定できません。


自分の命は自分で守るという意識を持って、より正確な検診を定期的に受けることをおすすめします。正確な検診と言っても、毎年CTやPET検診を受けるのは放射線被ばくの問題があり私は推奨しません。同様な理由で胃バリウム検診も毎年受けると放射線被ばくによりむしろ発がんリスクが高まることが知られているので、できるだけ内視鏡検診を推奨します。

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