コラム「『がん治療や検査で通院しながら仕事を両立できると思うか』64%が否定的回答 内閣府調査」

コラム

2017年03月06日医療ニュース

『がん治療や検査で通院しながら仕事を両立できると思うか』64%が否定的回答 内閣府調査

2017年1月、内閣府は「がん対策に関する世論調査」を発表しました。

「胸や胃のレントゲン撮影やマンモグラフィ撮影などによりがん検診が行なわれています。あなたは、こういったがん検診を受けたことがありますか」

上記質問に対し、「今までがん検診を受けたことはない」という回答が33.4%にのぼりました。30代男性については51.8%が未受診と回答しています。
「がん治療や検査で通院しながら仕事を両立できるか」という質問に対しては、64%が「そう思わない」「どちらかというとそう思わない」と回答しています。
前回の調査から横ばいが続いており、多くの働く人が大切な検査/治療と仕事の両立が難しいと感じていることが明らかになりました。

厚生労働省発表の「がん患者の就労や就労支援に関する現状」によると、がん患者の3人に1人は20~64歳の働く世代が占めており、通院しながら働いている方は32.5万人にのぼります。
2016年12月、がん患者が働きつづけられるよう企業に雇用継続への配慮を求める「改正がん対策基本法」が成立しましたが、現状はどうでしょうか。「職場が休むことを許してくれるかどうかわからない」「代わりに仕事をする人がいない、いても頼みにくい」といった回答が多く、検診についても、「今まで検診を受けたことがない」と回答した理由のトップは「時間がないから」となっています。企業の両立支援制度はいまだ整っていないといえます。

がん治療については高い技術力を生かした治療が生まれている一方で、これらの最先端の治療を受けられる環境が多くの人にないのです。
問題は職場環境だけではありません。2年前の調査と比較しても、「日本では、死亡者の約3人に1人ががんで死亡しているという事実を知っている」と回答した人の割合は、増えるどころか逆に0.2ポイントマイナスとなってしまっています。

日本人のがん検診とがん治療の実情を知り、人、企業、医師それぞれが「働き方と健康」について改めて考え、変わっていく必要があります。

がん検診の受診状況

【問】胸や胃のレントゲン撮影やマンモグラフィ撮影などによるがん検診が行われています。あなたはこういったがん検診を受けたことがありますか。
この中からあてはまるものを1つだけお答えください。

  • ・1年以内に受診した 44.2%
  • ・2年以内に受診した 8.4%
  • ・2年以上前に受診した 13.8%
  • ・今までがん検診を受けたことはない 33.4%

仕事と治療等の両立について

【問】現在の日本の社会では,がんの治療や検査のために2週間に一度程度病院に通う必要がある場合,働きつづけられる環境だと思いますか。
この中から1つだけお答えください。

  • ・そう思う 9.8%
  • ・どちらかといえばそう思う 18.1%
  • ・どちらかといえばそう思わない 35.2%
  • ・そう思わない 29.3%

がんに関する知識

【問】がんについてあなたが知っていることを,この中からいくつでもあげてください。
今回(平成28年11月) 前回(平成26年11月)

  • ・がんの治療方法には,大きく手術療法,化学療法,放射線療法がある 今回63.7% 前回66.6%
  • ・たばこは,さまざまながんの原因の中で,予防可能な最大の原因である 今回61.8% 前回62.4%
  • ・子宮頸がんのように若い世代で増えているがんもある 今回61.2% 前回62.8%
  • ・日本では,死亡者の約3人に1人が,がんで死亡している 今回43.4% 前回43.6%
  • ・日本では,約2人に1人が,将来,がんにかかると推測されている 今回31.3% 前回26.7%
  • ・がん全体の5年生存率は50%を超えている 今回29.5% 前回24.3%

参照:がん対策に関する世論調査

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