コラム「がんゲノム医療でオーダーメイド治療 2019年の保険適用めざす」

コラム

2018年01月09日医療ニュース

がんゲノム医療でオーダーメイド治療 2019年の保険適用めざす

年間新たに約100万人が診断され、日本人の死因1位となっているがんの治療について、オーダーメイド型医療を国が推進しています。オーダーメイド型医療とは、個人ごとに最適な治療を施すことをめざすもの。国立がん研究センター中央病院は、2018年1月中にも患者の遺伝情報を検査する「がんゲノム医療」を先進医療に申請します。厚生労働省の有識者会議で了承を得て認められれば、診察や入院など医療行為の一部で保険がきくようになります。中央病院が第一号となる見込みで、他にも複数の施設が申請を準備中。国は2019年度中の保険適用をめざしています。

「がんゲノム医療」とは、がんに関連する遺伝子117種を次世代シークエンサーと呼ばれる専用の機械で網羅的に調べ、どの遺伝子に異常が起きているかを突き止め、変異に応じて薬などを使い分ける方法です。検査は40~100万円かかり、一部の施設で臨床研究や自由診療で実施されてきました。中央病院の計画では、「がんゲノム医療」の対象は、再発や病状の進行などで標準的な治療を受けられない患者になります。遺伝性だとわかり、患者の希望があれば家族へのカウンセリングも実施します。

この「がんゲノム医療」が先進医療に認められれば、これまで自由診療として患者の全額負担だった医療費が、遺伝子検査の技術費用以外の、診察や投薬、入院、その他の検査などで公的医療保険が適用されるため、患者の負担減につながります。厚生労働省が一定の施設基準を設定し、基準を満たした医療機関の届け出を認めます。その後、公的保険の対象とするのが妥当かを評価するため、定期的に施設からの報告を求めます。

政府が昨年10月に閣議決定した第3期がん対策推進基本計画には、がんゲノム医療の普及のため拠点病院を整備する方針が盛り込まれました。このがんゲノム医療ができることが、厚労省が17年度中に選ぶ12施設ほどのゲノム拠点病院の要件の一つになります。拠点病院と連携する病院を全都道府県で指定し、今後これらも先進医療に加わる見通しです。検査の広がりで医療費増加も懸念されていますが、不要な投薬が減って効果的ながん治療につながることが期待されています。

【参考】 がん治療、遺伝情報でオーダーメイド 保険適用めざす

【前のページ】LCAT欠乏症の遺伝子治療法を実施―千葉...

一覧へもどる

がんの相談センター

ご相談・資料請求はこちら