ウェルネスコラム「LCAT欠乏症の遺伝子治療法を実施―千葉大学」

ウェルネスコラム

医療ニュース

LCAT欠乏症の遺伝子治療法を実施―千葉大学

2017年2月、難病されている「LCAT(エルキャット)欠損症」の患者を対象に、患者自身の脂肪細胞を使った遺伝子治療法が実施されました。これは、世界で初めてのことです。

この遺伝子治療法を実施したのは、千葉大学医学部付属病院の糖尿病・代謝・内分泌内科の横手幸太郎教授で、岡山大学病院腎臓・糖尿病・内分泌内科の和田淳教授との共同研究を進めていました。2月に実施後、半年間の観察期間を経て、治療法の安全性と脂質代謝の改善が示唆されたとして発表に至りました。

LCAT欠乏症は、体内にLCATが生まれつき備わっていない遺伝病です。LCATは、体内で善玉コレステロールを分泌するための酵素で、LCATが備わっていなければ、過剰なコレステロールが体に溜まってしまいます。結果として、瞳が白く濁り、腎臓の働きが弱ってしまい、透析に至ることがあります。根本的な治療法がなく、今まで試されてきた血しょう輸血や食事療法、薬物療法などでは十分な効果が得られていません。

遺伝子治療法によって、LCATが持続的に供給されるようになります。そのしくみは、患者自身から脂肪細胞を取り出し、そこにLCATをつくれる遺伝子を組み込んで再び患者の体内に戻すものです。自身の細胞を使うため、拒絶反応が起こりにくいこと、脂肪細胞はがん化しにくいため安全であること、脂肪の移植そのものはすでに確立した手法なのでリスクが抑えられるというメリットがあります。

横手幸太郎教授は、研究体制を強化して実用化を目指すとコメントしています。

患者自身の脂肪細胞を使った遺伝子治療法を世界で初めて実施~6ヶ月間の観察で安全性を確認し、実用化に向けて前進~国立大学法人千葉大学

【参考】 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000225.000015177.html

【次のページ】がんゲノム医療でオーダーメイド治療 20...

【前のページ】皮下埋め込み型ポートに関する意識調査を実...

一覧へもどる

がんの相談センター

ご相談・資料請求はこちら