コラム「日本人女性に多い卵巣明細胞腺がんの遺伝的背景が明らかに――京都大学」

コラム

2017年09月25日医療ニュース

日本人女性に多い卵巣明細胞腺がんの遺伝的背景が明らかに――京都大学

京都大学は、卵巣がんの一組織型である卵巣明細胞腺がん(明細胞がん)に関係する遺伝子同士がどのような構成で成り立ち発症までに至るのか、その仕組みを明らかにしました。


明細胞がんは、卵巣がんの一種で、中でも化学療法が効きづらく、治療が難しいがんです。また、閉経後に子宮内膜症ががん化する可能性もあることで知られています。

欧米では卵巣がん全体の4%から12%が明細胞がんの患者様ですが、アジアでは発症率が高く、日本人女性では卵巣がん全体の15-20%を占めます。


これまでの研究で、がんの増殖を促す遺伝子PIK3CAや、がんを抑えるARID1A遺伝子が明細胞がんに関係していることはわかっていましたが、タンパク質合成に関わる遺伝子の網羅的研究は行なわれてきませんでした。

また、がんが発症する遺伝的メカニズムなど、その全体像は解明されないままでした。


同大学院医学研究科助教授の村上隆助氏ら研究チームは、明細胞がんの患者様39人のがん組織と16人の血液を対象に、遺伝子のたんぱく質合成を網羅的に調べる全エクソーム解析を行ないました。


解析の結果得られた、タンパク質同士の相互作用データをもとに細胞増殖に関わるシグナル経路や細胞骨格に関連する4つのネットワークを構築し、多くの遺伝子の相互作用の仕組みを明らかにしました。


今回の研究成果で明細胞がんの発症に関連する遺伝子変異ネットワーク構造が明らかになったことで、明細胞がんの中でもどのような特徴を持ったがんなのかより精密に診断でき、より良い治療や新しい薬剤開発にもつながると期待されています。

【次のページ】ヤフーが九大病院と提携 病気発症リスク検...

【前のページ】がん免疫治療薬「オプジーボ」が胃がんにも...

一覧へもどる

がんの相談センター

ご相談・資料請求はこちら