ウェルネスコラム「ROS1肺がんに対する分子標的薬「クリゾチニブ」が保険適用承認」

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ROS1肺がんに対する分子標的薬「クリゾチニブ」が保険適用承認

国立がん研究センターは、遺伝子診断ネットワーク「LC-SCRUM-Japan」における研究成果により、ROS1融合遺伝子陽性の肺がん(ROS1肺がん)に対する治療薬と診断薬が保険適用として承認されたと発表しました。


日本における死因の第1位はがん(癌)であり、肺がんは死亡原因として最多のがんになります。

非小細胞肺がんにおいては、約3分の2の患者様が手術不能の進行がんと診断され、抗がん剤による薬物治療や放射線治療などを受けていますが、効果は十分でなく、より有効な新しい治療法が望まれていました。


治療法の研究が進む中で、肺がん発症の原因になるさまざまな遺伝子変化が次々と発見されました。2007年には、肺がんの約85%を占める非小細胞肺がんのわずか1~2%に存在する希少ながん、ROS1肺がんにおけるROS1遺伝子の変化(ROS1融合遺伝子)が存在することがわかり、新たな治療標的として注目されていました。


しかし希少がんのため、臨床試験を行なうのに必要な数の患者を集めることが困難を極めました。


そこでROS1以外にも存在する、希少な遺伝子変化を持つ肺がんとともに、希少な肺がんを全国で発見して臨床試験につなげる目的で全国規模の遺伝子診断ネットワーク「LC-SCRUM-Japan」が同研究センターの呼吸器内科長・後藤功一氏が研究代表者となって組織されました。


「LC-SCRUM-Japan」が実施したROS1肺がんに対するクリゾチニブの臨床試験では、合計127例のROS1肺がん患者様が登録され、クリゾチニブ治療の奏功割合は69%と良好な成績が得られました。この試験結果をもとに、国内で2017年5月にROS1肺がんに対する治療薬としてクリゾチニブの適応拡大が承認され、今回の保険適用承認に至りました。

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