ウェルネスコラム「がんの治療をするために病院を選ぶときに知っておくべきこと」

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がんの治療をするために病院を選ぶときに知っておくべきこと

がんを宣告されると誰でもショックを受けますが、そのまま宣告をした医師の治療方針に従っていいものかどうか、迷う方も多いと思います。

なかには、「もっと良い医療を提供してくれる病院があるのでは?」と考えて、セカンドオピニオンを求めて別の病院を探す方もいるでしょう。

そんなとき、本当に病院を変えたほうがいいのでしょうか?

本コラムでは、がんと診断されたときに必要となる、病院を選ぶ方法や知識についてご紹介したいと思います。

がんの疑いから診断が下されるまでには時間がかかる

がんと診断される場合、いきなり病院で宣告されてしまうことはないでしょう。

まずは、一般の健康診断や、別の病気の診断で腫瘍らしきものが見つかり、再度詳しく検査を行なう、という段取りを示されると思います。

この時点では、まだがんの可能性が疑われている状態です。

そのときに紹介状によってがんに強い専門病院や総合病院を受診する方も多いはずです。

厚生労働省は、全国どこでも質の高いがん医療を受けられるように、がん医療連携拠点病院を400か所、指定しています。ほとんどの場合、この指定病院に紹介されるはずです。

がん治療を行なっている病院の詳しい病理検査によってがんであると診断されたら、その時点で治療方針を説明されることになると思います。そしてここで、その方針を受け入れるかどうか、判断を迫られることになります。

多くの人はその場で受け入れると思いますが、なかには主治医を信用できず、セカンドオピニオンを求める人もいます。

セカンドオピニオンのために時間をかけるべき?

しかし、ここで知っておきたいのは、セカンドオピニオンには時間がかかってしまうということ。

そもそも、最初の疑いからがんと診断されるまで数週間~1カ月以上の時間が経過してしまっています。セカンドオピニオンでも、同じか、検査が増えるならそれ以上の時間がかかるでしょう。そんなとき、もしがんであったとしたら、がん細胞は増殖し、治療を始める頃にはより悪化してしまう可能性があるのです。

せっかく早期がんで見つかって治癒の可能性もあるのに、検査を重ねているうちに転移してしまうという可能性もあるのです。

それに、早期がんの切除手術であれば、実は名医にかかる必要などありません。がんを専門に扱っている外科医であれば、誰でも標準的に身につけている技術ですので、ほかの医者を探す時間はムダと言っていいでしょう。

「早期がんなのですぐに切除しましょう」と診断されたら、多くの場合、その治療方針に従うのがベストの選択になります。

あるいはどうしても気になって、最高の治療を提供してくれるであろう病院を探したとしても、遠方にあればなかなか入院治療するのは難しいという問題もあります。がん保険などに入っていれば、ある程度の治療費はまかなえるとはいえ、患者の闘病生活だけでなく、家族の生活も考えなければなりません。無理をして遠方の病院で治療を受ける意義は少ないと言えるでしょう。

根治や治癒を目指すなら治療開始は早いほどいい

がんと診断されて治療方針を決めるときには、当然といえば当然なのですが、何を目指すかが重要になってきます。

多くの人は、根治や治癒を目指すと思います。それならば、一刻も早い治療開始がポイントになってくるでしょう。なぜなら、がん細胞は放っておくとどんどん増殖し、転移を始めるからです。

反対に、治療方針をすぐに決断しないほうがいいかもしれないパターンとしては、根治や治癒が難しい、もしくは治療法が確立していないがんの診断を受けた場合です。

それですと、標準治療をしていても効果は見込めません。

それでも治癒を目指すなら、先進医療を導入している病院か、新しい治療法の臨床研究をしている病院を探すことになるでしょう。

もしくは、治癒までは望まずとも「この人でダメなら諦めがつく」という名医にかかることで、長く続く闘病期間のモチベーションを保つことも大事になってきます。

病院を自分で探したほうがメリットが大きいタイミング

病院探しには、がんの増大を許してしまうデメリットがあります。しかしそのデメリットより、病院探しをするメリットが大きくなるタイミングもあります。

詳しい病理検査の時点で探す

疑いから治療開始までの時間を考えると、もし自分で病院を選びたいというなら、最初に「疑わしい」と診断された時点で、すぐに行動したほうがいいでしょう。このタイミングであれば、時間経過のデメリットを最小限に抑えることができます。

詳しい検査を自分で選んだ病院もしくは医師のもとで行うことができれば、その後の治療も最短期間で進めることができます。

担当医が信用できないと思ったら

また、がんを診断した医師のことをどうしても信用できないという場合も、時間はもったいないのですが、病院を探す必要性があると言っていいでしょう。

がん治療は数か月以上の長丁場になるので、信頼できない医師の指示で治療を続けることはストレスになってしまいかねません。それなら、多少の無理をしても、セカンドオピニオンを求めることも必要になるでしょう。

再発や転移などで標準治療による根治が難しくなったら

また、もし治療が思わしくなく、転移や再発が見つかって末期がんと診断されれば、そのままの治療を続けることに疑問が出てくるでしょう。

その場合、全国のがん診療連携拠点病院などに設置されている「がん相談センター」に相談して、ほかの治療法がないか探したり、あるいは末期がん患者向けの緩和ケアの施設などを紹介してもらったりすることも必要になってきます。

放射線や抗がん剤などの化学療法といった標準治療以外の医療を受けたい場合は、クリニックなどの病院以外の医療施設を探すことになるでしょう。ただ、この場合は健康保険のきく標準治療ではなく自由診療になるので、高額な医療費は覚悟する必要があります。

実際に病院を選ぶときの選び方とは

病院を選ぶときにまず知っておきたいのは、最も信頼性が高く、真っ先に選択肢に挙がるであろう、全国各地のがんセンターの性質です。

がんセンターは国立と県立がありますが、どちらも地域のがん医療の中核施設です。そのためがんについての臨床研究が進んでおり、最先端の治療や、まだ認可されていない治療法の治験が受けられます。

その逆に、がん以外の病気にはそこまで強くないという性質があります。心筋梗塞を患っていたり、人工透析をしていたりするような患者には、総合病院のほうが向いている場合があるのです。

がんセンターは最優先で候補に挙げてもいい病院ではありますが、治癒が最優先目標のため、治癒が見込めない末期の患者へのケアは行き届いていないなど、ある種のがん患者にとっては最良の病院ではないことは知っておいていいでしょう。

がんセンターにこだわらず、全国各地の病院から選びたいのなら、外せないのが本やインターネットでのランキング情報でしょう。また、週刊朝日や日経ビジネスなどの雑誌でも定期的に名医や最新治療を特集した記事が公開され、インターネットなどで読むことができます。そうした情報から、自分の望む名医や治療法に目星をつけることもひとつの手段です。

病院や医師で探す以外に、治療法によって探す手段もあります。効果が高いとされる特殊な治療法を受けたいなら、それを実施している病院や医師を探すほかありません。

いずれにしても、まずはがんの種類をもとに探す方法がいいでしょう。肺がんには肺がんの治療法が、前立腺がんや膵臓がん、肝臓がんには、それぞれに適した治療法があり、得意としている病院や医師も異なるのです。

母親や父親など、家族ががんになったら、心労からなかなか情報収集が進まない患者本人の代わりに、情報収集を行なうこともあるでしょう。その場合は、家族として患者の支えになるよう心がけて情報収集を行ってください。

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