コラム「がん治療費用の負担を軽くする公的補助制度について」

コラム

2017年12月13日がん治療コラム

がん治療費用の負担を軽くする公的補助制度について

Healthcareの図

がんの治療は長期にわたることが多く、治療費が高額になるケースが少なくありません。しかし保険診療に関しては、公的な医療費助成制度によって、かさんだ治療費の負担が軽減されるしくみがあります。

がんの治療費はどのくらいかかる?

がんの治療費は、治療内容によって変わります。

例えば、手術のために入院した月には数十万円の医療費がかかるケースが多いものです。それに加えて高価な新薬を使った場合などは100万円を超えることもあります。

ただし保険診療では、そのすべてが自己負担になるわけではありません。3割自己負担の原則に加え、高額な医療費がかかる場合には、公的な医療費助成制度があるからです。

特別に高額な治療を受けた場合を除き、一般的な家庭の最終的な自己負担額は月額10万円以内に収まるケースが多いと言えるでしょう。

治療費が多くなった場合に活用できる公的補助制度とは

公的医療保険には、被保険者(患者様)の医療費負担が過重にならないように、高額な医療費の一部を助成する制度があります。

「高額療養費制度」は、患者様の年齢や所得に応じた自己負担限度額を超える医療費を保険で助成するものです。

また、長期の療養を必要とする子供には、「小児慢性疾患医療費助成制度」があります。

高額療養費制度

高額療養費制度は、医療費の自己負担額(通常3割負担)が一定の額を超える場合に患者様の支払負担を軽くするものです。

1つの医療機関で1カ月(1日~末日の間)にかかった医療費が「自己負担限度額」を超える場合は、それを超える分の支払いを免除されます。

自己負担限度額は年齢や所得に応じて決められています。

70歳未満の場合

あらかじめ医療機関に「限度額適用認定証」を提示すれば、窓口で自己負担限度額を超える支払いをする必要はありません。この場合、加入している健康保険組合に事前に「限度額適用認定証」の交付を申請する必要があります。

限度額適用認定証を提示しなかった場合は、病院の領収書を添付し、健康保険組合に自己負担限度額を超える分の還付を申請します。

自己負担限度額は所得区分により異なります。

自己負担限度額の例

上位・低所得者を除く一般の人の自己負担限度額は、「80,100円+(医療費-267,000円)×1%」となっています。

例えば、ある月の医療費が100万円かかり、3割負担の原則によれば30万円支払うべきところ、実際の支払いは自己負担限度額の8万7400円になる(※)といったしくみです。
※80,100円+(1,000,000円-267,000円)×1%=87,400円

70歳以上の場合

70歳以上の方は、特別な手続きを必要としません。

医療機関の窓口で健康保険証を提示すれば、1つの医療機関で1カ月に支払う医療費の負担額が自己負担限度額を超えることはありません。

小児慢性疾患医療費助成制度

18歳未満の子供が、がんをはじめとする特定の病気(小児慢性特定疾病)で長期間の治療を受ける場合、小児慢性疾患医療費の助成を受けることができます。

18歳になってからも引き続き治療が必要な場合は、20歳未満まで適用されます。

小児慢性特定疾病とは

小児慢性特定疾病に該当するのは、以下の要件をすべて満たす病気のうち、厚生労働大臣によって定められたものです。

  • ・慢性の病気
  • ・生命を長期にわたり脅かす病気
  • ・症状や治療が長期にわたって生活の質を低下させる病気
  • ・長期にわたって高額な医療費の負担が続く病気

小児慢性特定疾病にかかる医療費の自己負担額

公的医療保険の対象となる医療費の自己負担割合は、通常3割(未就学児は2割)ですが、小児慢性特定疾病については自己負担が2割になります。

また、複数の医療機関で支払った自己負担額を合算し(外来・入院とも)、1カ月の自己負担上限額を超える分は負担を免除されます。

自己負担上限額は、世帯の所得に応じて決められています。詳細は居住地の自治体に問い合わせてください。

小児慢性特定疾病の医療費助成を受けるには

小児慢性特定疾病の医療費助成を受けるためには、居住する都道府県または指定都市、中核市の保健福祉担当課や保健所などに申請します。

原則として、指定医療機関で治療を受け、指定医の診断書がある場合に医療費助成の対象となります。


公的な医療費助成制度を利用することで、がんの保険診療にかかる自己負担は大幅に軽減されます。

ただし、自由診療で先端治療を受ける費用は全額自己負担になることや、病院への支払以外にも療養のための費用がさまざまかかることも考慮しなければなりません。

心配なく療養するために、民間の保険も含めて、十分な備えをしておくことが望ましいと言えるでしょう。

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