コラム「有象無象がはびこるサプリメント業界」

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医者の罪と罰6 製薬・サプリメント業者の罪と罰 薬の真実
有象無象がはびこるサプリメント業界

安い材料で高く売る儲けのカラクリ

わが国のサプリメント消費量(金額ベース)は、内閣府の調べによると約1.5兆円(2012年)です。2016年には推計2兆円です。一方、米国はというと、日本貿易振興機構調べで1.8兆円(2013年)。人口比でいうと、わが国は米国の2倍強もサプリメントを消費していることになります。「日本人は薬好き」といわれますが、サプリメントについても同様の傾向が浮かび上がってきます。

医者の罪と罰

医者の罪と罰

サプリメントを飲む目的は、健康の維持・増進、老化予防、病気予防などです。では、今のサプリメントが果たしてその目的にかなっているのでしょうか。

日本の国民医療費は毎年1兆円ずつ増加しており、すでに41兆円を超えました。日本国民が米国民の2倍強も飲んでいるサプリメントが有効なら、医療費が毎年1兆円も増加するはずはないでしょう。

ということは、現在市販されているサプリメントが愛用者たちの目的に役立っているとは証明できません。

どうしてこのようなことが起こるのでしょうか。

それは、サプリメントが厳格な審査(治験)で許可されたものでなく、一定の条件を満たせば誰でも販売でき、多額の宣伝費をかければ消費者を誘導して購入させることが可能だからです。

私が研究しているコラーゲンを例に取って説明しましょう。

コラーゲンの原料には、動物系と魚系があります。動物系の主な素材は、一時、牛の皮でしたが、BSE(牛海綿状脳症、いわゆる狂牛病)が発生してから豚の皮が取って代わりました。

豚の皮は、カバンや靴の材料になるほど頑丈です。この頑丈さは、コラーゲンの組成と関係しています。

動物系のコラーゲンには、プロリンというアミノ酸が多く含まれます。プロリンは結合力が強いので、これが多いと頑丈な皮になりますが、その分、サプリメントとして摂取した場合には、体内で分解しにくいのです。

分解しにくいと、当然、吸収されにくいことになります。実験によると、魚の皮と比較して7分の1の吸収力です。仮に豚皮由来のコラーゲンを1万㎎飲んでも、1400㎎しか吸収されないことになり、極めて効率が悪いのです。

一方、魚系のコラーゲンの原料には、ウロコと魚皮の2種類があります。ただし、「フィッシュコラーゲン」と表示してある市販製品は、ほとんどがウロコ由来です。

ウロコは硬いので、通常の方法ではコラーゲンを抽出できず、塩酸で化学処理します。

そのためコラーゲンの生理活性が失われてしまい、体内で有効利用されません。

それでは、なぜウロコが使用されるのか?

それは、価格が魚皮の3分の1だからです。

最も良質なコラーゲンの原料は、私の研究結果では、天然白身魚の魚皮です。しかし高額なため、業者はほとんど手を出しません。儲けるためにできるだけ安い原料を使い、多額の宣伝費をかけて売るのが常套手段(じょうとうしゅだん)です。

したがって、ほとんど効果を期待できないコラーゲンサプリメントのほうが市場を席巻(せっけん)するというわけです。悪貨が良貨を駆逐するという典型です。

悪徳業者を駆逐して真に国民のためになるサプリメントを

サプリメント業界はもともと許認可がゆるいので、反社会的勢力が入り込む余地もあります。舎弟企業が多く存在するのも事実です。

しかし、大手企業のやり方もなかなかのものです。

名だたる大手企業も、コラーゲンの原料に関してはほとんどウロコですがウロコといわずに「フィッシュコラーゲン」と表記します。そして、粗悪品をキャラクターを使用して高級なイメージで宣伝し、消費者を誘導しているのですから許すことができません。

まして食品なら流通過程をトレースできなければいけないのに、多くのサプリメントメーカーは産地表示すらしていません。それを規制しない消費者庁にも責任があります。

実はコラーゲンをつくっているメーカーの多くは、ウロコを採取する魚種を、中国で養殖されているティラピアに依存しているから書けないのです。

しかも、ティラピアは国内に輸入されると、イズミダイと名前が変わります。これを業者は「流通名」と呼び、平気で「タイの一種」といいます。ティラピアはもともとアマゾン川に生息している淡水魚です。しかしタイは海水魚です。こんなインチキをしてまで消費者をだましているのです。

皆さんも、企業のお客様相談室に電話してみるとわかります。コラーゲンの原料について質問すると、たいていは「魚皮とウロコを使用しています」と答えが返ってきます。

しかし電話口の人は、「それならその比率は?」と聞くと答えられません。ほとんどウロコだから答えられないのです。お客様相談室は嘘を言うと罰せられるので、黙っているのです。実にけしからんと思いませんか。

ここではコラーゲンを例に取りましたが、ほかのサプリメントも推して知るべしで す。儲けることしか考えていない業者に甘い汁を吸わせながら、国民はせっせと、効果が期待できないサプリメントを購入しているのです。

米国民の2倍もサプリメントを購入して、それにもかかわらず、国民医療費が毎年1兆円増加する。実におかしいことです。

日本医師会は、そんな現状を見てサプリメントの弊害を盛んに説きますが、私にいわせると、国民が病気予防を期待して飲んでいるのだから、医師団体ももっと積極的にサプリメントに関与すべきだと思います。

私は、最高級の原料を使用してコラーゲンサプリメントを開発し、臨床研究を行なってきました。それは、21世紀の医療が目指すべきは「病気予防」だと考えているからです。そのためにも、本物の原料を使用したコラーゲンサプリメントでエビデンスを得て、消費者に紹介したいと思い、それを実践しただけです。

毎年医療費が増加しても、医者の報酬は10年前と変わりません。増加分は医療機器メーカーや関連業者に流れているのです。

現在、診療報酬がほとんど上がらないので民間病院の経営実態は苦しく、医者は愚痴ばかりこぼしています。だったら、ブラック企業がはびこっているサプリメント業界を一掃し、医者主導で本物のサプリメントをつくって国民に届けたらどうでしょう。

それこそ真の病気予防となって国民に喜ばれ、その結果、国民医療費が減少し、病院経営にも寄与して「三方良し」のムーブメントになるのではないでしょうか。

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