ウェルネスコラム「放置療法を論破できない医者たちの不勉強」

ウェルネスコラム

書籍連載

医者の罪と罰2 使命放棄 医者の怠惰・無知
放置療法を論破できない医者たちの不勉強

免疫を考慮しないがん治療は20世紀の遺物

放置療法医師の理論は、もうひとつの嘘の上に成り立っています。 「がんを治せる治療法はない」という大きな嘘です。

ただし、これはその医師だけの間違いではありません。 多くの医者も、実はがんを治すことを放棄しているのです。 普通の医師が使う表現だと、「すでに転移している進行がんを完治させることは難しい」という言い方になります。

医者の罪と罰

医者の罪と罰

実際に、現在の標準治療だけでは、進行がんの完治は望みがたいからです。
しかし、「治療法がない」という認識は、20世紀には通用したかもしれませんが、時代遅れの考えなのです。

現在は21世紀であり、20世紀とは違うがん治療の土台ができあがっています。

私が「21世紀のがん治療」というのは、将来もしかすると開発されるかもしれない〝夢の治療薬〟のことではありません。 現在の標準治療でも使用されている分子標的薬と、すでに実用化されている免疫系治療の組み合わせで進行がんの完治を目指すことです。

分子標的薬としては、がんを殺すNK細胞の活性を高めるADCC抗体も存在しますし、わが国では世界最強の免疫細胞療法(日本発、世界初のANK免疫細胞療法)も実用化されています。 これらを従来の標準治療と適切に組み合わせていけば、進行がんは、もっと治りやすくなっていくに違いありません。

例の医師は、分子標的薬は高額なだけで効かないといっていますし、免疫療法も否定しています。 そういう前提で考えれば、たしかに進行がんは治せないという結論になるでしょう。 その点では、ほかの多くの医者と通じているのです。

同じ土俵の上で考えていたら治る患者も治せない

その医師の放置理論に対するさまざまな医師の見解は、おおむね下のような意見に集約されそうです。

私には、どうも堂々巡りのように感じられてなりません。

それは、「がんを放置して延命することなど考えなくても、こうすれば治る」という、ズバッとした正論がないからです。

放置理論に対して意見を求められると、多くの医師は腰が引けるようです。今のがん医療の限界を認めたうえで、「彼のいうことにも、もっともな部分はある。しかし......」と一面評価、一面反対的なことを述べます。

それは、彼らの頭の中に標準治療の世界しかないからなのだと思います。

その医師が理論構築の前提としているのは、20世紀のがん標準治療が積み上げてきたエビデンスです。 同じ土俵の上で論じたら、「彼の意見のすべてが間違っているわけではない」という、はっきりしない話になるのも当然です。

現在の標準治療は、ほとんど20世紀の治療法だけで構築されています。 免疫を重視した分子標的薬も使用されてはいますが、免疫細胞も殺してしまう殺細胞剤との併用では、薬効が相殺されるため有効な治療とはいえません。 その範囲だけだと、進行がんに対しては、「いかに高いQOL(生活の質)を保つか」「いかに長く延命するか」という選択肢しかなくなります。

そうすると、「無理をしないでQOLを取るか、無理な延命を取るか」という、放置理論の土俵に、見事にはまってしまうわけです。

日本のがん専門医には、たとえ進行がんでも、なるべく多くの患者を完治させようという発想がないのです。

放置理論に対する様々な医師の見解

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