ウェルネスコラム「保険診療と自由診療を組み合わせて完治をめざす」

ウェルネスコラム

書籍連載

【第3章】がん完治の確率を飛躍的に高める、保険診療+自由診療の「治療設計」
保険診療と自由診療を組み合わせて完治をめざす

保険診療と自由診療の医療機関は、両方とも受診できる

保険診療の医療機関は、同じ患者様に保険診療と自由診療を同時に実施することはできません。一方、自由診療の医療機関では、保険が適用となっている治療を行ないながら自由診療を行なうことができます。しかし本来は保険が適用される治療の費用をも患者様が自己負担する必要があり、必然的に治療費は高額になります。

保険診療+先端医療  完治をめざす「がん治療設計」

保険診療+先端医療
完治をめざす「がん治療設計」

それでは八方ふさがりでまったく打つ手がないというとそうではありません。患者様自身が、保険診療の病院と、自由診療のクリニックの両方に通院すればよいのです。つまり、標準治療を受け続けながら、一方で自由診療も利用し、保険適用外の治療を併用するのです。それなら、制度上もなんら問題はありません。

混合診療規制は、病院経営に関する行政指導であり、患者様の自由意思による行動を縛るものではないからです。自由診療を受ける前に、保険診療の担当医から許可をもらう必要があるのではないかと心配する患者様もいるようですが、もちろんそのような義務も制約もありません。

保険診療の範囲でセカンドオピニオンを受けることを否定するわけではありませんが、自由診療の併用も検討するなら、これぞと思う自由診療の医療機関にセカンドオピニオンを求めるのがよい方法です。そして、標準治療と先端医療の組み合わせによる完治をめざす治療を検討していくのです。

標準治療だけでなく自由診療にも目を向けると、免疫細胞療法、粒子線治療、分子標的薬の保険適用外処方、ロボット手術など、保険適用にはなっていなくても科学的な根拠を持つ先端治療ががん治療の選択肢に入ってきます。

自由診療も含めた相談が、まさにセカンドオピニオンだと考えていいでしょう。

一度、相談してしまうと、断りにくくなるのではないか、などと気にする必要はありません。相談に行ったら自由診療を受けなければいけないというわけではありません。一般のセカンドオピニオン外来と同じように相談料は負担していただくことになりますが、最終的にどの治療を選ぶかは患者様自身の判断です。

このように直接クリニックにセカンドオピニオンを依頼する方法が一般的ではありますが、医師に相談する前に情報を収集しておきたいと考える方もいるでしょう。

ANK免疫細胞療法の場合は、リンパ球の培養施設を提供しているリンパ球バンクという会社に問い合わせることも可能です。同社は各地でセミナーを開催するなどして、免疫細胞療法とはどういうものかなど、医療技術に関する情報提供をしています。

同社に問い合わせれば、相談に行く前に整理しておきたい情報などについて助言してもらうことができます。ただし、会社は法律上、医療行為はもちろん、原則として医療相談もできません。リンパ球バンクはあくまでも情報の提供だけであり、患者様の状態に合わせた医療相談は、医師でなければ行なえません。

自由診療の医師に相談すれば、保険診療医の意見も自由診療医の意見も両方聞けることになり、その後の治療の見通しに、より幅広いビジョンが描けることになると思います。

保険診療医の専門分野は、あくまでも標準治療

保険診療の医師に相談すべきことは、基本的に「標準治療に関すること」になります。医学用語らしい言葉が混ざってよくわからなかったときは、「よくわからなかったのですが」と、説明を求めればよいと思います。

基本的なこととして、検査の結果や、医師がどのように診断しているのか、そして治療方針やスケジュールはどうなのかなどをしっかりと聞いておきましょう。

例えば手術後の病理検査の結果、がんの性質がどうだったかは、その病院でしかわかりません。「転移の可能性が低いか、それとも再発・転移する可能性が高いか」などを聞きたい場合には、保険診療の担当医(執刀医)から説明してもらいましょう。

ただ、現在の診断技術では、「がんが完治した」とか「どこにもがん細胞がない」とは断定できません。玉虫色の答えになるのは、医師が隠し事をしているからではないのです。

逆に、保険診療の医師に自由診療に関することをいくら聞いても意味はありません。

保険診療のドクターは、あくまでも標準治療の専門家です。自由診療についてセカンドオピニオンを求めようとしても、経験したことのない治療については知らなくて当然です。そういう立場の医師に自由診療のことを尋ねるのはむしろ失礼です。

また、仮に自由診療ならもっとよい治療法があるとわかっていても、保険診療医はそれを勧める立場にありません。公のお金を使って行なわれる保険診療の医師には、制約があります。標準治療以外の手段を選ぶことはできず、例えば保険適用外の分子標的薬を処方するような自由度はないのです。

保険が利かない薬や治療は、基本的に保険診療の守備範囲ではないので、自由診療の医師に尋ねるべきです。原則として、個別の治療については、その治療を行なっているドクターに聞くのがいちばんよいと言えるでしょう。

自由診療の医師には、保険診療も自由診療も質問できる

では、自由診療の医師にはどのようなことを相談すればよいのでしょうか。
結論を言えば、何を相談していただいてもけっこうです。

自由診療の医師は、保険診療のようなルールには縛られておらず、医師法でどんな治療でも勧める裁量が認められています。ただし、高い見識に基づいてです。その自由度と見識を患者様のために活かすのが、本来の自由診療医の役割です。

開業して独自のがん治療に取り組んでいる医師のほとんどは、実は医学部で標準治療について学んでいますし、たいていは勤務医時代に経験もしています。ですから、標準治療については、どの医師もひと通りわかっていると思って大丈夫です。

自由診療の医師は、標準治療のメリットや限界についての理解を踏まえて、保険では受けられない治療法を提案するために開業しています。決して患者様の状態に関係なく、自分の治療法を押し売りするために開業しているのではありません。

それが医師としての倫理であり、もしもそうでないと考えている医師がいるのなら、患者様はそういう医師のクリニックには行かないほうが賢明です。

ですから、自由診療では、患者様が受けている標準治療を前提に、オーダーメイドの治療設計を提案するのが正しい姿であるということになります。

ANK免疫細胞療法医について言えば、患者様の状態やどのような標準治療を受けているかなどを踏まえて、そこに保険適用外の分子標的薬や免疫細胞療法をどう組み合わせるか、さらには、ほかに利用できそうな先端医療はないかなどを検討し、最適と思われる治療設計を提案します。

患者様は、ANK免疫細胞療法のクリニックに相談に行く際には、医師の判断材料となる標準治療の診断内容や検査結果を持参し、なるべく正確に現状を伝えてください。

標準治療を受けている保険診療の病院から、診療情報提供書などを出してもらえればいちばんよいのですが、そうした書類を入手するのに時間がかかりそうな場合は、どんな診断・治療を受けてきたか、自分で時系列順にまとめて持参してもけっこうです。

相談の結果、ほかに必要なデータがあると言われたら、後から取り寄せて持参すればよいだけのことです。なるべく早く動くことのほうがむしろ大切です。

保険診療で解決できることは、保険診療を活用する

自由診療のクリニックで相談後、ANK免疫細胞療法などを併用することに決めた場合は、保険診療と自由診療の賢い使い分け方を、よく意識しておくことも大事です。これは、具体的に言うと治療にかかる費用の問題です。

患者様がよく迷うのが、「ANK免疫細胞療法など自由診療の効果判定のための検査は、やはりその治療を受けている自由診療の医療機関で受けるのか」ということです。

しかし、それも含めて、一般的な検査は標準治療を受けている保険診療の病院で受けていただければけっこうです。何でも自由診療でやっていたら、患者様の自己負担は尋常ではない金額になってしまいます。

がん治療は、先が見えない長い闘いになることが珍しくありません。保険診療をうまく組み合わせることで、最先端医療の効果を最大限引き出すことはもちろん、治療にかかる費用をできるだけ抑えることも考える必要があります。

何度も触れているように、混合診療規制があるので、自由診療のクリニックでは、どんな治療をしても健康保険はまったく使えません。どんな検査も薬も、全額患者様に請求しなければなりません。保険が適用になっている検査や薬であってもです。

がん治療の費用を、自己負担の数字だけで見ている患者様は、実感されていないかもしれませんが、実際に標準治療にかかっている費用は非常に高額です。保険診療でできる検査まで自由診療で受けていたら、患者様にとって大きな負担になります。

たとえば、保険診療でできる分子標的薬でも、保険が利かなければ1回数十万円かかるものが珍しくありません。そのため、保険適用となる分子標的薬なら、標準治療を受けている病院で処方してもらうようにお願いしています。

また、保険診療の一環として受けている検査結果は、そのつどANK免疫細胞療法医に伝えれば十分です。もちろん、保険診療で行なっていない検査は、別途自由診療で受けていただくことがあります。

その一例が、保険適用外の分子標的薬が、患者様のがんの性質上、投与が妥当かどうかを調べるための検査です。その他にも、殺細胞剤に薬剤耐性が現れた際に、すぐにANK免疫細胞療法に切り替えるタイミングを見計らうための特別な腫瘍マーカー検査などもあります。

こうした例外を除き、検査でも治療でも、保険診療に該当するものは保険診療で受けていただくようにしています。

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