書籍連載
【第5章】健康常識の嘘
新薬の嘘
薬の効果は実質30%しかない
新薬はどのようにして承認されるのでしょうか。新薬を承認する際には、まず動物実験で有効性、安全性を確認します。これを前臨床と呼びます。それを経て、人間で試験を行うことを臨床試験と呼びます。
臨床試験には、第一相、第二相、第三相があります。第一相では、薬の安全性を試します。大学生などが1週間泊まり込みで協力し、高額なアルバイト料を手にします。その代わりに大量に新薬を投与されます。
それで安全性を確認すると、第二相に移ります。第二相では、小規模の人数(といっても200名くらい)で、どの量が有効か、数種類の量を試します。
その結果、有効量が決まると、第三相の大規模臨床試験(400名くらい)を行います。そのとき、二重盲検といって、4名を1グループにして、その中で一人だけに実薬ではない薬(偽薬、プラセボといいます)が当たります。これは本人だけでなく担当医も誰に当たったかわからないようになっています。それで二重盲検というのです。
臨床試験が終わるとキーオープンといって、情報開示をして誰にプラセボが当たったか初めてわかります。非常に興味深いのは、プラセボでも30%くらいの人に効果があることです。
実薬はどうかというと、60%くらいの効果があれば新薬として承認されます。ということは、新薬の効果は差引きなんと30%だということです。
プラセボ効果がこれほどすごいとは驚きです。