ウェルネスコラム「がんにならない体づくりが健康寿命をのばす」

ウェルネスコラム

書籍連載

【第5章】がんの予防が、若々しい体をつくる
がんにならない体づくりが健康寿命をのばす

国民の30%が高齢者という社会

がんによる死亡者を増やしている、わが国の高齢化の実態も見ておきましょう。国民全体のなかで、高齢者(65歳以上の人)はどのくらいの割合を占めているのでしょうか。

一生がんにならない体をつくる

一生がんにならない体をつくる

まず、平成24(2012)年のわが国の総人口は、1億2752万人。そのうち高齢者は3074万人で、全体の24.1%と、およそ4人に1人を占めていました(平成26年厚生労働省人口動態統計による)。

翌25年、高齢者人口はさらに増加し、3186万人になりました。総人口に占める割合も25%と、いよいよ4人に1人に達しています(総務省統計局による)。これは主に、昭和23(1948)年生まれの人たちが65歳に達したためです。

この昭和23年生まれというのは、昭和22〜24年に訪れた第1次ベビーブームの時代に生まれた、いわゆる「団塊の世代」の一員です。平成26年には、その団塊の世代がすべて前期高齢者(65〜74歳)となります。そして、さらに11年後の平成37(2025)年には、団塊の世代を含む高齢者人口が3500万人となり、ついに総人口の30%を超えると推計されています。

65歳以上は年金受給世代ですから、社会保障の支え手となる現役世代への負担は、今よりさらに大きなものとなると予測されています。

そこで同時に生じると予測されているのが、高齢者のみの独居世帯や夫婦のみ世帯、あるいは認知症になる人が増え、社会全体の介護のキャパシティーを超えてしまいかねないという「2025年問題」です。

しかし、急がれている介護サービスを充実させるためにも、予算が必要なことは言うまでもありません。

年齢3区分別人口割合の年次

2025年問題の本質は財政赤字の膨張

2025(平成37)年になると、われわれ団塊の世代も75歳以上になっています。そうすると、高齢者人口の爆発によって、現在39兆円かかっている年間国民医療費が、52兆円に上ると予測されています。

その予測の根拠は、国民医療費が現在も毎年約1兆円ずつ増えていることです。それが積み上がると、当然、10年後には50兆円前後になります。

この国民医療費には、医療保険で支払われる金額のほか、病院に通った人が自分で負担する金額も含まれます。しかし、医療サービスを受ける人が増えれば、当然、公的な負担も増大します。

現在、国民医療費の半分以上は65歳以上の高齢者にかかっている費用です。これとパラレルな関係にあるのが、国の予算で言うと、現在30兆5000億円(平成26年度予算)に上っている社会保障費(年金、医療、福祉政策にかかる費用)です。国民医療費が増えていくということは、社会保障費が同様に増えていくことを意味します。

2025年問題の本質は、高齢者の増加によるこの社会保障費の増大によって、国の財政が今よりもさらに圧迫されることなのです。

増え続ける医療費が国の財政を圧迫する

国の財政赤字については、よく報道されているのでご存じの方が多いでしょう。財政赤字とは、税収よりも支出が多い状態を指しますが、長引いた不況の影響もあって、わが国の財政赤字は恒常化しています。

そして、税収の不足を補うために国が行うのが、国債の発行という名前の借金です。国債というのは国の借金の証文ですから、当然、満期が来れば額面金額に利息をつけて償還(返済)されます。

国債の発行自体は、どこの政府も行っている普通のことですが、日本の問題は、その発行残高(すなわち借入総額)が増え続けていることです。今年、平成26年度には普通国債の残高が780兆円程度になる見込みで、その結果、年間約96兆円の国家予算全体のうち、およそ23兆円が国債費(国債の償還と利息の支払いのための支出)に充てられているのが現状です。

そんななか、多額の社会保障費は、現在の年間30兆5000億円でも国の財政に重い負担になっています。これが将来的に、国民医療費と同様の伸びを示せば、年間約40兆円となり、税収が爆発的に伸びない限り、国債で調達しなければならない資金や、その利息が膨らんでいく要因になります。

2025年の国債残高は、いくらになっているでしょうか。毎年の国債の発行額は、時の政府の考え方しだいですが、増え続けている借金の返済に充てる国債費は、少なく見積もるとしても30兆円程度にはなるのではないでしょうか。

国民医療費と対国民所得比の年次推移

医療費を減らさなければ国債の信用が低下

2025年の社会保障費を40兆円、国債費を30兆円とやや少なめに見積もっても、その合計額は、現在の歳出の7割を超える70兆円に上ります。現在、予算のほぼ56%を占め、それでも大きな負担となっている社会保障費と国債費です。それが7割を超えたら、国家財政の破綻はまず免れません。今後10年間で、そうならないような大幅な税収の増加は期待できるのでしょうか。

少子高齢化が進めば、現役世代は相対的に減少していきます。そのような社会で、景気がどんどん勢いづき、働き手とその収入が大幅に増えることは、安易に期待すべきではありません。したがって、日本の医療費、社会保障費をこのまま膨張させ続けていったら、国際的な日本国の信用にも関わってくるわけです。

現に2012年、アメリカに本拠を置くS&Pという有名な格付け会社が、医療費の抑制策が見られなかった場合には日本国債の格付けを見直さざるを得ないと発表しています。国債の格付けが見直されるというのは、その国の財政的な信用が低下することを意味します。

格付けや信用度の下がり具合にもよりますが、そんなことになると、日本といえども国債で資金を調達し、財政赤字を補っていくことは、今より困難になります。今、わが国はそういう危機に直面しているのです。

一人ひとりの健康は国にも経済的な利益を生む

団塊の世代が75歳以上になると、52兆円に膨らみかねない年間国民医療費が国の財政を圧迫するという「2025年問題」については前述しました。それにしても、高齢化とともに毎年1兆円ずつ増えている医療費は、本当に必要な費用なのでしょうか。

そうした未来図を前にして、何もせずに手をこまぬいていることはできません。私がメディカルサプリメントを開発したのは、目の前の患者様に本当によくなってほしいからです。しかし同時に、社会や医療が抱えるさまざまな問題に、現実的な処方箋を示したいと念願しているからでもあります。

今こそ国民一人ひとりが本気になって、自分たちの健康増進を図り、国を挙げてがん撲滅、ムダな医療費のかからない健康長寿社会を実現しなければなりません。

そして、良質のコラーゲンとプラセンタを積極的に摂れば、自分の健康を増進してがんのリスクを大きく減らしながら、国の将来を脅かす医療費の膨張にもブレーキをかけることができます。自らの幸福と社会貢献を両立できるのですから、こんなによいことはないと思います。そのような解決策を求めている人はほかにもいるはず。ほかにもよいものがあるなら、どんどん代案を出し合っていきましょう。

たかがサプリメントと言わずに、真剣に捉えていただきたいと思います。少なくともコラーゲンとプラセンタは、これからの医療費削減の目玉になりうる素材なのです。

もし国民がみんな高品質のコラーゲンを摂取するようになったら、医師が廃業せざるを得なくなる領域がたくさんあるように思います。

がんが減れば、1人当たり数千万円の治療費がかからなくなります。動脈硬化が減れば心筋梗塞も脳卒中も減ります。骨が丈夫になれば人工関節は要らず寝たきりも減ります。そうなれば極端に医療費が減り、現在の半分ぐらいで済むようになるかもしれません。そうしたら国は安泰です。

がん予防とメタボ対策は表裏一体

このところ、生活習慣病と言えばメタボリック症候群がまず連想されるようになりました。メタボ対策が、なぜ盛んに訴えられるかと言えば、脳卒中と心筋梗塞のもとになるから。つまり、がんと並ぶ三大死因の2つにつながるからです。

内臓脂肪とともにメタボリック症候群の構成要件になっているのが、高血圧、糖代謝異常(糖尿病)、脂質代謝異常(脂質異常症)です。これらは動脈硬化を基盤とする生活習慣病で、がんと並ぶ四大生活習慣病とも言われます。

私は、前著で「血管の老化予防が健康長寿につながる」と指摘しました。それはまさに、コラーゲンによる動脈硬化の改善効果に着想を得たものでした。

ところが、がんだけは、同じ生活習慣病でも、「メタボ」といっしょにくくることができません。動脈硬化との関わりが明らかではないからです。一般の人の間でも、がんは、メタボと切り離して考えられているように感じます。

「高血圧や糖尿病はそんなに怖くないけど、がんにだけはなりたくない」と言う人がいても、私たちはあまり疑問に思いません。おそらく、一般的に言ってがんのほうが怖いからでしょう。

しかし、その裏返しで「私はメタボだけど、絶対がんにはならない」という自信は成り立つのでしょうか。そう聞くと今度は、「そんなに都合よく行くのかな?」と、疑問に思うのではないでしょうか。それは、メタボを招きやすい生活習慣と、がんのリスクを高める生活習慣がほぼ同じだからです。

メタボとがんに対する一般的な「イメージ」は確かに違います。しかし、喫煙等による酸化ストレス、過度のアルコールや香辛料による刺激、塩分や甘い物、高脂質食の摂りすぎ、そして睡眠不足や過労など、いわゆる悪い生活習慣は、メタボにもがんにも共通のリスク要因になっています。がんを積極的に予防すれば、それはおのずと、ほかの生活習慣病の予防にもなると言えるでしょう。

がんにならない体は、血管の若さと同義

血管の老化にブレーキをかければ、生命に関わる恐ろしい病気の9割が防げるのではないか。その私見は、体の構造から考察した結果です。

人体は、骨から内臓の粘膜、血管、そして皮膚に至るまで、コラーゲンというたんぱく質が骨組みとなってできています。このコラーゲンがあらゆる組織に弾力、つまり強靱さと柔軟さをもたらしているのです。

前著では、国際特許取得の根拠となった動脈硬化改善効果をもとに、血管の老化を防ぐうえで良質のコラーゲンの摂取が非常に有用であることを述べました。そして、その後の臨床経験で、胃がんの原因となる萎縮性胃炎が、やはりコラーゲンによって防げるということが明らかになり、血管の老化を防ぐことは、「がんにならない体づくり」でもあると捉え直すことができました。

同じ方法で血管の老化予防とがんの予防が図れるならば、要するに、「積極的ながん予防こそ、あらゆる生活習慣病を防ぎ、若さを維持し、健康長寿社会をつくる鍵だ」と言い換えるべきでしょう。

がんも動脈硬化も、それに伴う高血圧症や糖尿病も、その延長にある脳梗塞や心筋梗塞も、すべては同根で、同じような悪い生活習慣の延長にあるのです。

がん予防はがん再発防止につながる

ひとつ、書き忘れたことがありました。

世の中には、今現在がんと闘っている患者様のほかに、寛解して普通の生活を送っている患者様もいらっしゃいます。つまり、治療を終えて経過観察中の方たちです。

抗がん剤で治療中の患者様が、プラセンタを摂ると副作用が軽減するように思われることや、脱毛した患者様がコラーゲンを摂取すると発毛が早いようだという感触を述べましたが、もちろん治療中のみならず、治療後の体調管理にも、これらのサプリメントは役に立つはずです。コラーゲンとプラセンタを摂取することは、積極的ながん再発防止策になると思います。

例えば、標準治療が奏効して腫瘍の存在が確認できなくなったあと、患者様の体の中では、粘膜も免疫もダメージを受けていることが多いと思います。そういう方は、コラーゲンとプラセンタを積極的に摂取されると、粘膜を修復し、免疫を再建するうえで間違いなく役立ちます。

コラーゲンには、ここまで見てきたような全身の組織の修復作用と抗炎症作用があります。プラセンタには、コラーゲンの合成を促進する作用のほか、独自の免疫賦活作用、成長促進作用があります。この成長促進作用は、胎盤がもつ成長因子によるもので、睡眠中に分泌される成長ホルモンと同じように、ダメージを受けた組織の修復を促してくれます。

傷ついた細胞を修復し、体内のあらゆる粘膜組織を強化する。骨の中まで丈夫になって、強い免疫細胞をつくるようにする。そうして備えていけば、がんの再発を防ぐうえでも大いに役立ち、再発の確率を低くすることにつながるはずです。

まだがんと診断されたことのない人でも、一度がんになって治療を終えた人でも、この先がんにならない体づくりのために取り組むことは同じだということです。

健康寿命をいかにのばすかは、わが国のみならず世界的なテーマです。そのために一番大事なことは、やはりがんにならない体をつくること、がんにならない体を取り戻すことだと思われます。その指針に従って生きていけば、ほかの病気の予防もおおかたカバーできるはずです。

一度がんになって治った人は、健康への問題意識が強い分、長生きできる可能性があります。もう一度強い気持ちで体を再建し、健康長寿の列に加わりましょう。

一生がんにならない体づくりが楽しい人生をつくる

私が推奨しているコラーゲンの摂取は、一般的な常識からすると大量摂取に当たるでしょう。コラーゲンの体内での利用を助けるプラセンタの摂取も、一般にがん予防と結びつけて語られることはなかったと思います。

しかし、老化に伴う多くの不調が、半年ぐらいでみるみる改善するこれらのサプリメントは、本当に老化防止、健康長寿の大きな力になるのではないかという感触を得ています。コラーゲンとプラセンタの大量摂取を数カ月続けた患者様たちの印象は、感覚的には、ちょうど植物に水と肥料を与えたような感じになります。

外見がみずみずしく、不調が癒やされて精神的にも伸びやかです。子どもを形容する「健やか」という言葉がありますが、そう、健やかな大人になるのです。

天寿が来るまでずっと元気で過ごし、寿命が来たらコロリとこの世を去る、いわゆるピンピンコロリという言葉があります。コラーゲンとプラセンタには、ピンピンコロリを広めることに役立つ可能性が大いにあると私は感じています。

ですから、多くの人がメディカルサプリメントの効用を知って、積極的に摂取するようになれば、世の中に元気な高齢者=健康長寿者が増えるのではないかと夢を膨らませています。現在、平均で10年間もある一人ひとりの要介護期間を短縮し、寝たきりの期間はできれば1日、長くて数カ月......という時代を築いていければ理想的です。

そうすれば、ご本人も人生が楽しくなり、国全体の医療費の削減にもつながり、こんなにいいことはないと思うのです。人の迷惑にならず、国の負担にならなければ、いくら長生きしてもいいではないですか。

長生きすることが悪いかのような風潮は、人の命を救うのが使命である医師としても、一人の人間としても許せません。少子化に向かっている今だからこそ、一人ひとりが長生きして、極端な人口減少に歯止めをかけるべきなのです。元気な年寄りが社会に貢献し続ければ、これからも日本は安泰です。

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