ウェルネスコラム「「積極的予防」でがんを食い止める」

ウェルネスコラム

書籍連載

【第4章】免疫力を向上させて、がんにならない体をつくる
「積極的予防」でがんを食い止める

コラーゲンとプラセンタで全身の粘膜を強化する

「治療より予防」という言葉があります。がんという病気には、特にそれが当てはまると言えるでしょう。しかし、老化とともにがんが増えることから、漠然と予防に努めていても、完全にがんを免れることは難しいように思えます。

一生がんにならない体をつくる

一生がんにならない体をつくる

そこで、がんを従来よりも積極的に予防することを提唱したいと思います。その「積極的予防」に、極めて有用だと思われる食品が、質のよいコラーゲンとプラセンタです。

がんは、全身のどこに生じるか分からない病気です。しかし、まったく理由が分からないというわけではありません。

消化器専門医として、日本人に発症が多い胃がんと日常的に向き合っています。その胃がんについて言えば、慢性胃炎に端を発した「萎縮性胃炎」を温床として細胞が変性し、そこに「腸上皮化生」という前がん状態が発現して、さらに進展すると胃がんになるという成り立ちが分かっています。

大腸がんも良性ポリープから進行し、食道がんも炎症性の粘膜の変性から生じることを考えると、そのほかの臓器や器官でも、似たような経過をたどってがんが生じていると考えられます。慢性的な炎症があるところで細胞がダメージを受け、その細胞内のDNAに傷がついて、がんになる"きっかけ"ができるのです。

ただし、慢性の炎症は通常、痛みがなく、自分では気づいていないことがほとんどです。そこで、がんになる前に全身の粘膜を強化し、慢性の炎症を防ぎ治すことが、「積極的がん予防」の第一のポイントであると言えます。

質のよいコラーゲンとプラセンタを積極的に摂取すると、粘膜が修復・強化され、がん発生の素地となる炎症を抑えることになります。このように優れた機能性食品を摂取することは、もはや「予防的治療」に近いと言えるでしょう。

炎症のもとになる習慣も積極的にやめる、控える

もちろん、がんの成り立ちは単純ではありませんから、コラーゲンとプラセンタだけ摂取していればいいというものではありません。

私たちの生活のなかには、発がんのリスクを高めるものとして、さまざまな環境要因があります。

よく知られているところでは、特殊な肺がんである中皮腫を起こすアスベストがあります。最近では、大陸から飛来するPM2・5や、原発から流出する放射性物質が警戒されています。ほかに、環境ホルモンと呼ばれるダイオキシンもあれば、排出ガスもあります。

病気を防ぎ治すはずの医療でさえ、胃のバリウム検査で過剰な放射線を浴びてしまう可能性がありますし、長く使うとがんを誘発してしまう免疫抑制剤もあります。そうしたリスクのうち、避けられるものは極力避けることが大切です。

さらに、積極的に取り組むべきは生活習慣の見直しです。明らかな有害物質は避けていても、習慣としてなじんでいる喫煙や飲酒、刺激の強い食べ物の摂取などは、それほど気にせず続けている人が少なくないと思います。

それでも、本書を読んでがんが炎症から生じてくることを知った人は、そうした炎症の原因を積極的に控えようと考えるのではないでしょうか。

タバコの煙は、口からのどの粘膜を刺激して肺に入りますが、唾液に溶けた発がん物質は食道を通って胃にも届きます。それが粘膜を刺激して炎症を起こすので、肺がんに限らず、咽頭がんや食道がん、胃がんなどの原因にもなります。

アルコールも頻繁に、または過度に飲んでいれば、肝機能にダメージを与えて肝炎を招きますし、食道や胃の粘膜を刺激して炎症を引き起こす可能性があります。激辛食品を好んで食べるのも、度数の強いアルコールの飲用と同じ意味で無謀なことです。

こうした習慣は、どれも慢性の炎症のもとになるので、「積極的にやめる、控える」という発想をもっていただきたいと思います。このような行動修正は守りというよりは、むしろ「攻めの予防」なのです。

消化器系のがんこそ、こまめな検診が有効

女性のがん死亡率で大腸がんがトップになっているのは、検診を受けたがらない人が多いからです。そのことを第2章で指摘しました。

大腸がんには、初期の自覚症状は特にありません。ですから女性の場合、症状が出ないうちは「恥ずかしいから」と検査を先延ばしにしている人が少なくありません。そして、おかしいと思って病院に行ったときには、もう進行がんになっていて手遅れというケースがほとんどです。

この大腸がんの実情は、検診の重要性を示して余りあります。ときどきマスコミでも「検診無用論」をぶち上げている医師がいますが、内視鏡専門医に言わせたら、とんでもない暴論です。検診をしなければ早期がんは見つからないのです。

厚生労働省が3年ごとに実施している「患者調査」の平成23年版を見てみましょう。これは23年10月の集計ですが、がん(悪性新生物)で病院にかかった外来患者は全国の一部を除いて約16万3500人います。そのうち、胃がんで病院に行った人が1万9200人、大腸がん(結腸、直腸)が2万4000人でダントツです。

また、同時期のがんによる入院患者数を見ても、約13万4800人のうち、胃がんが1万4900人、大腸がんが1万9200人を占めています。病院にかかった数でも入院した数でも、胃と大腸で、がん全体のほぼ4分の1になっています。

これに食道がんも加えると、もう少し割合が高くなります。ということは、言うまでもありません。内視鏡で早期発見の可能ながんが、全罹患数の少なくとも4分の1以上、おそらく3分の1ぐらいを占めていることが分かります。

これを全部、予防によってなくそうとは言いません。しかし、胃がんと大腸がんは、早期で発見できれば5年生存率95%です。これを検診で見つけるなというのは、みすみす見殺しにするということです。国民全体で消化器系がんの早期発見に努めれば、がんで亡くなる人の数は大幅に減ると断言できます。

早期発見・早期治療は"積極的予防"

がんは、予防しているから検査を受けなくてもよいということではなく、予防が第一、そして検査が第二なのです。

そもそも現在、がんになる確率はほぼ「2人に1人」。いくら予防を心がけていても、早期発見に努めることが大切であり、早期がんのうちに治療できれば、治る可能性も顕著に高まることを忘れてはなりません。

予防には、コラーゲンとプラセンタの摂取が有効で、さらに生活習慣の改善が大切です。そして、慢性胃炎などの炎症性疾患があるなら、適切な治療を続けることにも「がん予防」の意味合いが出てきます。今現在抱えている病気の治療も、積極的ながん予防のうちだと言えるのです。

であれば、仮にがんになってしまったとしても、同じことが言えるはずです。つまり、早期発見、早期治療には、「致死的な進行がんを予防する」という意味があると考えることもできる。いや、そう考えるべきです。

がんになると、多くの人が驚き、その段階で絶望してしまう人も少なくありません。しかし、発がんは終着駅ではないのです。なんといっても早期発見であれば、生存率の高い早期がんのうちに、しっかりがんを治せることにつながります。同時に、治療の経済的負担も大幅に軽くなります。

がんは頻繁に性質を変えていきます。例えば大腸ポリープのように、早期がんだったものが進行がんに変異することも珍しくありません。その進行を積極的に断ち切る予防策が、早期発見、早期治療だと考えるべきでしょう。

進行がんも早く見つけ、早期の治療設計が重要

さらに踏み込めば、進行がんの場合であっても、早期発見・早期治療が望ましいことは変わりません。早ければ早いほど、標準治療とANK免疫細胞療法などの先端治療を組み合わせて、治る可能性を高めることができます。

今年の4月、私は同志とともに一般社団法人「がん治療設計の窓口」を立ち上げ、7月に厚生労働省内の記者クラブで設立記者会見を行いました。

この社団法人は、標準治療からあらゆる先端医療に至るまで、専門家として正確な知識と、情報の整理の仕方を伝えることを主な活動とする団体です。つまり、がん患者様やそのご家族が、納得のいく治療設計(治療法の組み合わせと受ける順番)を、自分で考えやすくするためのサポートをするのが目的です。

世の中には、がんに関して、玉石混交のありとあらゆる情報が溢れています。そのため、「本当に必要な情報の見極めがつかない」と言う人もいれば、「自由診療は、標準治療で手に負えなくなってからかかればいいんですか」と聞いてくる人もいます。

「がん治療設計の窓口」を設立したのは、そのように迷っている人々の足元を照らしたかったからです。実際、がん患者様たちに、この団体のことを話すと、「こういうしくみが前からあったら、もっと早く先端医療が受けられたのに」と異口同音におっしゃいます。

がんと診断されてからでも、標準治療を正しく理解し、優れた先端医療を選択肢に加えれば、がんの完治は夢ではありません。それも、早い段階で取り組むことが大事です。

がんが怖いのはなぜか。

それは、早期がんのうちに叩いてしまえば大したことがない相手なのに、進行して勢いを増したがんに立ち向かおうとするからです。

本当に怖いがんは進行がんで、なおかつ発見が遅れた場合のみ。災いの芽は、小さいうちに摘んでしまうのが得策です。慢性炎症の治療から始めて、がんの早期発見・早期治療まで、すべては「攻めの予防」と言うことができます。がんを恐れず、攻め勝つ気持ちをもちましょう。

進行度により大きく変わるがん治療

がんの早期発見、そして早期治療は、予防と並んで極めて重要です。

本章では、胃がんを例に、腸上皮化生という前がん状態以前でがんを食い止める治療にも触れてきました。しかし、もしも発がんしてしまった場合、患者様の予後を有利にするものは、やはり早期発見・早期治療です。

一般にがん治療というと、大きな手術を受けたあと、苦しい抗がん剤治療(殺細胞剤による化学療法)を受けなければならないというイメージをもっている人が多いと思います。なかには、抗がん剤の副作用が、がん治療の一番の恐怖だと言う人もいます。

しかし、早期の胃がんや大腸がんなら内視鏡で手術できるので、体にメスを入れることはありません。そして、そのような早期がんには抗がん剤を使う必要はありません。少なくとも、私は内視鏡手術後の抗がん剤治療は一切行っていません。抗がん剤を使うのは、内視鏡手術に向かない進行がんに限るのです。

ただし、内視鏡での手術が可能ながんは限られており、ステージ1までの早期がんに限られます。胃の場合、粘膜にとどまっている早期がんを「T1」としています。

胃壁の構造は、前述したように、内側から粘膜、筋肉層、漿膜(しょうまく)に分けられ、さらに粘膜は、表面の粘膜と、筋肉層との間にある粘膜下層からできています。T1というのは、粘膜下層までにとどまるがんです。

そして、内視鏡で取れるのは広範囲に広がらず、粘膜下層にとどまっているがんです。

ステージ2(T2)となると、筋肉層まで食い込んでいるがんです。そこまで進んでしまうと、ほかの組織にどんどん食い込んでいく浸潤がんですから、もう内視鏡で取ることはできません。外科手術が適用となります。

がんの進行度には、さらに転移の有無による区分があり、リンパ節に転移していない段階を「N0」と言います。リンパ節にがんが転移していると、また話が違ってきます。あまりありませんが、T1でもリンパ節に転移している「N1」以上は進行がんですから、標準治療では抗がん剤治療の対象となります。

早期に治療すれば生存率は飛躍的に高まる

このように、早期がんの治療は進行がんより圧倒的に楽です。早期がんで発見するか、進行がんで見つかるかでは、その後の展開が、まるで違う病気のようになります。そして何より、命の助かる確率が違います。

内視鏡で切除してしまえば、早期胃がんの5年生存率は95%を超えます。ほぼ完治すると言ってもよいのです。先述したように、抗がん剤も無用です。当院では、抗がん剤治療の代わりにANK免疫細胞療法を行うことが可能です。

私は、内視鏡の専門医であるのと同時に、ANK免疫細胞療法というがんの免疫療法の専門医でもあります。ANK免疫細胞療法という武器を使って数々のがんと闘ってきました。

免疫細胞療法は、体内に強い免疫抑制がかかって眠らされてしまったNK細胞を、体外に取り出して目覚めさせ、再び体内に戻してがんに立ち向かわせる治療法です。決して新しいアイデアではなく、NK細胞が見つかった1970年代から、新しいがん治療法として期待されていた方法です。

NK細胞ががんを殺すことは、発見されたときにすでに分かっていました。そもそもどんながん細胞でも殺すナチュラルキラー、つまり「生まれながらの殺し屋」というのがNK細胞につけられた名前です。

そして、1980年代にアメリカで行われた大規模臨床試験で、NK細胞が治療にも使えるという明確なエビデンスが示されています。アメリカの国立衛生研究所(NIH)が、莫大な予算を投じてLAK療法という免疫細胞療法の実験を行ったのです。

その治療法は、患者にとって大きな危険を伴い、技術的な問題もあって当時は実用化されませんでしたが、ともかくNK細胞ががんを殺すことは証明されたということです。

そして、ANK免疫細胞療法は、そのLAK療法の課題を日本人研究者が克服し、見事に実用化に成功したものなのです。

しかし、早期がんにはANK免疫細胞療法は必要ありません。

早期がんと進行がんとでは、治療法がまったく違ってくるのです。しかし、一般の人があらかじめその違いを詳しく理解する必要はないと思います。定期的に内視鏡検査を受けて、がんになっても早期発見に持ち込める可能性を高めておくことが大切なのです。

胃がんができるまでには、一般的に「萎縮性胃炎→腸上皮化生→胃がん」という進行プロセスがあります。この腸上皮化生から胃がんに至るまでに、DNAが変異を繰り返し、細胞が性質を変えていくのです。

そして、がん細胞も性質を頻繁に変えます。粘膜内にとどまる性質の早期がんでも、時間の経過とともに変異を繰り返し、近くの組織にどんどん浸潤していく浸潤がんになったり、遠くの組織に飛び散っていく転移がんに性質を変えたりする可能性が高いのです。

つまり、普通は「萎縮性胃炎→腸上皮化生→早期がん→進行がん」と進んでいきます。がんになるのは望ましいことではありませんが、生涯で2人に1人はがんになります。悪くても早期がんの段階で発見しようというのが定期検査の目的です。

がんは、予防に努めて一生ならないようにすることがベストです。しかし、同じがんなら早期発見・早期治療がベターであり、胃がんや大腸がんのように、内視鏡で切除できる部位のがんは生存率が桁違いに高くなるのです。

早期がんと進行がんはタチ(性質)が違う

早期がんと進行がんを分けるのは、初期か末期かでも軽症か重症かでもありません。がん細胞の性質によって決まるのです。

もしがんになってしまったとしても、早期がんのうちに発見したら、胃がんや大腸がんは内視鏡で切除できます。そして、抗がん剤による化学療法も、高額な免疫細胞療法も必要ありません。胃がんなら、それで95%の人は5年以上生存できるわけです。

私は10年近くANK免疫細胞療法を実施してきて、この免疫細胞療法の素晴らしさをよく知っています。それでもANK免疫細胞療法を使わないで済むのが一番よいと思っています。ですから、早期がんを内視鏡で取った患者様には、「念のためにANK免疫細胞療法を行ったほうがいい」とは言いません。

ANK免疫細胞療法を実施する対象は抗がん剤と同じで、進行がんです。つまりステージ2(T2)よりも浸潤が進んでいる場合か、リンパ節への転移が見られる場合です。

筋肉層にがんが食い込んだステージ2以上になると、やはり内視鏡では手に負えません。また、リンパ節への転移が見られたら、内視鏡にこだわらずに手術に踏み切ったほうが効率よく治療できます。そのうえで、ANK免疫細胞療法やほかの治療法も加えた治療設計、治療法の組み合わせを考えるのです。もちろん抗がん剤による化学療法も排除しません。

仮に進行がんだったとしても、早期にそのような方針を練って治療すれば、5年生存率を100%近くに伸ばし、元気で社会復帰する患者様を増やせる可能性が大いにあります。

それは、ANK免疫細胞療法が、体のあちこちに飛び散った微小ながん細胞を最後まで追い詰めることのできる全身療法だからです。現在の標準治療にはない武器であり、標準治療の弱点を補うことができるのです。

標準治療でお決まりの抗がん剤による化学療法だけでは、たとえステージ2でも進行がんを100%治せるということはあり得ません。70%から、よくて80%ぐらいです。それが現実的に数字に表れている治療成績なのです。

一方、ANK免疫細胞療法のしくみはNK細胞対がん細胞の1対1の闘いですから、がんが大きく勢いが強いうちは、目立った効果が表れないという特徴もあります。多くのがんをなぎ倒すという面では、標準治療の化学療法にかなわないのです。

そこで、効率よくがんを治すには、早期に標準治療とANK免疫細胞療法の最善の組み合わせを考えることが有効なのです。抗がん剤を含む標準治療で大きくがんを減らし、ANK免疫細胞療法で体内に残ったがん細胞にとどめを刺す。今のところ、それがおそらく世界で最も効率のよいがん治療法だと私は考えています。

免疫療法は標準治療を否定するものではない

ANK免疫細胞療法は、その設計上、単独でもがん治療効果を発揮する治療法です。しかし、がんの病態は人それぞれで、標準治療と組み合わせたほうが、より早くがんを治すことができるケースがほとんどです。そのほうが、結果的に総治療費が安くなり、治る見込み(確率)も高くなります。

しかし、ANK免疫細胞療法は自由診療で、全額が自己負担となります。そのために、原則として保険診療である標準治療を受けている患者様は、なかなか同時にANK免疫細胞療法を検討するという発想になりません。

そもそも制度上、保険診療を行っている医療機関では、自由診療のANK免疫細胞療法を行うことはできません。そのために、医師でもANK免疫細胞療法について正確な知識をもっている人は少ないのが現状です。

また、標準治療を推進している医師のなかには「ANK免疫細胞療法にはエビデンスがない」と解釈して、あまり積極的に勧める人がいないのも実情です。

そうしたさまざまな背景が、患者様からANK免疫細胞療法を受診するタイミングを奪っているのが現状です。これからは、従来の混合診療規制がよい意味で緩和されていき、保険診療と自由診療の垣根が低くなっていきます。保険診療と自由診療の壁を越えて、最適ながん治療法の組み合わせを柔軟に検討していくことが望まれます。

免疫療法の発想とANK免疫細胞療法の治療手順の図

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