コラム「赤ちゃんを成長させる胎盤、「プラセンタ」が体を修復させる」

コラム

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【第4章】免疫力を向上させて、がんにならない体をつくる
赤ちゃんを成長させる胎盤、「プラセンタ」が体を修復させる

コラーゲンの合成を促す「プラセンタ」

もう一つ、私が着目し、メディカルサプリメントとして開発したプラセンタについても解説を加えていきましょう。

一生がんにならない体をつくる

一生がんにならない体をつくる

ここまで見てきたように、コラーゲンは、がんに対する免疫力を高める働きももっていると考えられます。その理由は、全身の粘膜を丈夫にするとともに、骨を若返らせて骨髄を元気にすることにあります。骨髄の造血機能が高まれば、免疫の担い手である免疫細胞の質が高まると考えられるからです。

一方、プラセンタには、体内でそのコラーゲンの生成を促進する作用があります。そのため、両者はいっしょに摂取しても非常に相性がよいと言えるのです。プラセンタの第1の作用は、免疫力を高めるコラーゲンの生成を促すことです。

そして、プラセンタそのものにも免疫賦活作用があると言われています。現在、私はがん治療のためにANK療法を受けている患者様に、プラセンタを大量に摂取してもらっています。その経過を見ていても、確かに免疫賦活作用があるようだと感じています。

これは、プラセンタだけでがんが治せるという意味ではなく、栄養補助食品として非常に有用性が高いのではないかと考えているわけです。

例えば、がんの患者様には、抗がん剤治療を受け吐き気を伴って食欲のない人などが珍しくありません。そういう人がプラセンタを摂っていると、吐き気が治まって食べられるようになるといった例がたくさんあります。

胎盤=プラセンタは赤ちゃんの免疫の根本

プラセンタが免疫によいはずだと考える1つの根拠は、専門外の小児がんの治療を経験して考察したことです。

当院では専門外の小児診療は基本的に受け付けていません。しかし、どうしてもANK療法を受けたいということで、ここ2〜3年に小児がんの患者様が4人来ています。小児診療は未経験だったため、最初のお子さんはいったんお断りしました。しかし、親御さんが自分たちが責任をもつのでぜひ治療してほしいと望まれたため、人道上お引き受けすることにしたのです。

幸い、そのお子さんはメキメキ元気になりました。そして、その子の話を伝え聞いた小児がんの患者様が、少しずつ訪れるようになったのです。

そうして小児がんを診ているうちに気づいたのが、胎盤の力でした。小児がんの一部は遺伝子との関係が指摘されていますが、生まれてくるときにがんをもっているケースは非常に少なく、早くても2、3歳を過ぎてから発症します。

これは、お母さんの胎盤の影響力が、赤ちゃんの体内に残っているということでしょう。胎盤から受け取った免疫が、まだ血液の中などに残っているのです。

一般に赤ちゃんは、生まれてから3カ月とか半年ぐらいは風邪もひきませんが、これも胎盤の免疫力だと言われています。すると、出生後しばらく小児がんの発症が抑えられているのも、胎盤の免疫が働いているのではないかと思い当たったのです。

ただ、これもあくまで現時点での仮説です。プラセンタの免疫賦活作用は診療を通じて感じていますが、そのメカニズムは現在追究中です。

成長促進、再生因子が炎症を治す

胎盤、すなわちプラセンタには、アミノ酸なども豊富ですが、細胞間の信号伝達物質であり免疫刺激物質としても働く、サイトカインと呼ばれる因子(特定の作用をもつ物質)が大量に含まれています。

特に興味深いのは成長促進因子です。これは、小さな受精卵を10カ月で3000gまで育てる原動力であり、文字通り身長や体重の成長を促す物質です。成長促進因子は大人にも有効で、赤ちゃんでなくとも、プラセンタを摂ると身長が伸びたりします。

実は、私は息子にプラセンタを摂らせたことがあります。東日本大震災の直後、放射線被ばくなどの環境汚染に備えて、免疫力を高めさせようと考えたのでした。すると、身長がぐんぐん伸びて、中学に入る前に170㎝になってしまいました。驚いて摂取をやめさせましたが、それほど効果があるということは分かりました。

この成長促進因子は、体内の組織に損傷があれば、成長ホルモンのようにその組織の修復を促します。それから、プラセンタには傷の修復などをつかさどる再生因子も大量に含まれています。この再生因子の働きで、小さなやけどなどはきれいに治ります。

こうして見てくると、プラセンタの作用には、コラーゲンと非常によく似ているところがあると分かります。プラセンタは、コラーゲンと同様、組織の炎症を修復し、前がん状態になったりがんに進行したりしないようにブレーキをかけてくれるのではないかと思われます。そして、その相性のよさと相乗作用によって、互いのがん予防効果を高め合っている可能性があります。

このようにプラセンタは、非常に有用性の高い素材だと思いますが、まだあまり研究が進んでいません。研究者のなかには、プラセンタの成長促進因子ががんの増殖を促す可能性があると言う人もいますが、それはありません。

実際に、がんの患者様たちとプラセンタを利用し、少しでも治療経過がよくなるように努めています。その取り組みのなかで、プラセンタによってがんが増殖したという例はありません。根拠なくがんを悪化させるという主張はおかしいと思います。

自然界には、まだ分からないことのほうがはるかに多く、そのなかに神秘的な恵みもあるはずです。小児がんも、生まれてすぐには起こらないところに、天の配剤があると私は感じます。

プラセンタは、ありがたい天の配剤として研究を深め、医療への応用を進めていくべきだと考えています。

注射よりもエキスを飲んだほうが、がんの予防には効果的

プラセンタのすごさを知ったのは、参加したあるセミナーで出会った医師が、プラセンタ埋没療法を行っていて、その話を聞いて興味をもったのがきっかけでした。

プラセンタの注射剤はもともと知っていましたが、それだけではサプリメントとしての有用性までは気づかなかったかもしれません。というのは、プラセンタの埋没療法と注射剤の効果には、雲泥の差があるからです。

埋没療法は組織療法と言われることもありますが、臀部(でんぶ)や上腕に麻酔をかけて少しメスを入れ、皮下にプラセンタの原末を埋め込む方法です。原末は粉ですから、生理食塩水に溶かしたりして使います。

そうしてプラセンタの原末を皮下に埋め込むと、成分が少しずつゆっくりと放出されます。こうした効き方を徐放性(じょほうせい)と言います。注射剤も皮下もしくは筋肉に注射して徐放的な効果を狙っているのですが、埋没療法は、濃度の濃い原末を注射剤の数十倍の量で埋め込むため、効果がさらに長く持続します。

ヒトプラセンタの売買は禁じられており、医師が自前で準備する必要があります。私も自分でもプラセンタを準備し埋没療法を試すうちに、確かにこれは著効があると分かりました。それからプラセンタに惹かれていき、サプリメントに適した動物素材を入手したいと考えるようになったのです。

注射に対して、口から摂取するサプリメントの場合は、消化管を通る分、ゆっくり効いていきます。そして、注射を打つより頻繁に摂取できるので、体内での濃度を一定に保てるメリットがあるのではないかと思いました。

一般に、内服薬に比べると注射剤のほうが、効き目が早く効果が優れていると思われています。しかし、治療より予防目的のサプリメントの場合、良質のエキスを経口摂取したほうが、注射剤より体内で働く効率がよいのではないかと考えたのです。

医薬品として活用されているプラセンタ

プラセンタのがん予防効果に着目したきっかけは、前章で述べたとおり、ラエンネックという注射剤のうたっている肝炎の改善効果を実際に経験できたことでした。

もう一つの医療用プラセンタ製剤であるメルスモンは、更年期障害で保険適用になります。女性がよく美容目的(自由診療)でプラセンタの注射を打つのも、この更年期障害への効果と関係が深いのではないかと思います。

更年期の女性はホルモンバランスの変調に悩まされますが、プラセンタの豊富なアミノ酸や生理活性物質が、ホルモンの不足を補ってくれると考えられるからです。当院でも、50歳代前半の女性が、週に1回、メルスモンの注射のために通院されています。もちろん、症状はよくなっています。

更年期障害や肝機能障害のプラセンタ注射は、保険が適用になりますから、該当する症状のある人は、医療機関に相談してみるとよいでしょう。

医薬品かサプリメントかを自分で選ぶ時代

しかし、適応症状がなく、がん予防や美容などの目的でプラセンタを活用したいのであれば、食品として摂取するメディカルサプリメントのほうがお薦めです。

プラセンタの注射を美容目的で打ちたい場合、全額自己負担の自由診療になりますから、それなりに費用がかかります。一方、私が開発したプラセンタのメディカルサプリメントは、値段は決して安くありません。しかし、痛い思いをせずに手軽に経口摂取できますし、何より品質面で、保険の利く注射薬よりも優れているのではないかと自負しています。

実は、医療用プラセンタ製剤のメルスモンやラエンネックは、保険適用の承認を取った1950年代の製法で作られています。具体的には、原材料となる胎盤を塩酸を使って処理しているのです。

コラーゲンやプラセンタの製法、品質についてはまた後述しますが、現在では当然、1950年代より優れた製法があります。そこで、メディカルサプリメントに配合しているプラセンタの生理活性は、医薬品である注射薬よりも高い可能性が十分あるのです。注射薬が従来の製法のまま塩酸で処理しているのは、承認された製法を変えるわけにはいかないからで、それ以上でも以下でもありません。

私見ですが、これからはサプリメントの社会的位置づけが、変わっていきます。そして、薬かサプリメントかは、目的に応じて選ぶ時代になります。どんな場合も「薬だからサプリメントより効く」という考え方は、改めていったほうがよいと思います。

それは、膨張する国の医療費を抑制するためにも必要なことだと思うのです。

機能性表示でサプリメントの価値観は変わる

誤解のないように補足しておきますが、現在承認されている薬が適応症状に効くことは間違いありません。私がここで述べたいのは、病気になってから薬に頼るのではなく、病気になる前に、有用性の高いサプリメントで予防をするという発想がありうるということです。

そのためには、消費者がサプリメントの品質をどう見極めるかが重要になってきます。

例えば現在、国の方針として、2015年度にサプリメントの機能性表示を認めるという動きがあります。これは、サプリメント先進国のアメリカでは、すでに当たり前に行っていることです。2007年、しっかりしたエビデンスのあるサプリメントは機能性表示をしてよいと、食品医薬品局(FDA)によって認められているのです。

それによって、本当に優れたサプリメントと、そうでないサプリメントの選別が進み、かつサプリメント市場は大幅な成長を見せたということです。やはり、機能性表示が消費者の安心につながったのではないでしょうか。

良心的なサプリメントにはバックデータがある

メディカルサプリメントというからには、科学的根拠がなくてはいけません。科学的根拠という場合は、査読のある学術雑誌に掲載された論文が、最も信頼性の高い根拠とされています。しかし、メディカルサプリメントに関しては、基本的に医師が臨床経験のなかで結果を出していると言っても大きな違いはないと考えます。

コラーゲンについて取得した国際特許などは、学術雑誌に論文を掲載したわけではありませんが、科学的根拠としてよいと考えています。

プラセンタに関しても、もともと免疫賦活作用があるとは言われているのですが、現在、独自に臨床試験を行っているところです。健常人のグループとがん患者のグループに、3カ月間、プラセンタのサプリメントを摂取してもらい、免疫のレベルを示すバイオマーカーをフォローするという方法です。

第1回目の結果を分析中ですが、現段階では、まだ試験方法の改良なども必要であろうと思っています。今後も研究を継続し、はっきりと効果が分かったら公表したいと考えています。

私がメディカルサプリメントと言っているのは、このように医師や専門家が効果・効能を確認し、機能性表示に堪える内実を備えたサプリメントのことです。今のところサプリメントは効果・効能をうたってはいけないことになっていますが、本当によいサプリメントを提供している業者は、私がコラーゲンで取得した国際特許のように、なんらかの科学的なバックデータを取るべきだと考えています。

メディカルサプリで自分の健康を管理する

現在、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)という多国間貿易交渉で、さまざまな産業分野の開放が議論されていますが、その結果しだいでは、医療やその関連分野も大きな影響を受けます。

アメリカは、わが国とは異なる文化や医療環境で、サプリメントを進化させてきました。そもそもアメリカでは病気になると莫大な医療費がかかります。民間の医療保険に入っていない人が手術でも受けようものなら、即、破産するほどです。

そうした背景もあって、病気予防への人々の意識は高く、「健康のためにサプリメントを使う自由」という概念があるほどです。さまざまな機能をうたうサプリメントが入手しやすく、一般の人に日常的に利用されています。

しばしば日本では売られていないサプリメントが、アメリカから個人輸入されるのは、そうした事情によるところが大きいのです。アメリカの企業が機能性表示で鍛えられたサプリメントを携えて日本の市場に参入してくると、非常に強いインパクトがあると考えられます。

そこで、日本でも、現在のトクホ(特定保健用食品)よりも踏み込んだ機能性表示ができるようにすべきだと思います。そうすれば、イメージ広告だけではなく、実際の機能が消費者の判断基準になるだろうと思います。また、国際的に優れたサプリメントが出てくれば、国にとっても大きな経済効果があります。

ところが最近、この機能性表示に新たな展開があり、トクホと同じように査読のある論文、そのデータを出すための臨床試験が要求されそうな流れになってきています。新薬の治験に比べれば微々たる投資ですが、トクホの臨床試験にはやはり億単位の投資が必要です。そうなると、大手企業しか機能性表示を取れないことになり、「第二トクホ」ではないかといわれる始末です。

機能性表示に関して、アメリカにもない、あまり強い規制を敷くことは、上策ではないように思いますがいかがでしょうか。

いずれにしても、一般の人が機能で判断してサプリメントを利用し、自分の健康は自分で管理するという時代が近づいています。

毎日5gのコラーゲンを摂取するのが理想

これからの健康長寿社会を快適なものにし、一人ひとりが人生を謳歌(おうか)するためには、がんを減らし、できればがんによる死亡をなくしていくことが最大の課題です。そのための取り組みとして、私自身が臨床的に効果を実感しており、お薦めできるのがコラーゲンとプラセンタの積極的な摂取です。

では、どのくらいの量を摂取すると、コラーゲンやプラセンタの健康効果をメディカルサプリメントとして役立てることができるのでしょうか。

まず、コラーゲンから見ていきましょう。そもそもコラーゲンは動物性たんぱく質なので、食品からも摂れないことはありません。なぜサプリメントで補給することが望ましいのでしょうか。それについては、コラーゲンは加齢とともに体内合成が減るので、年齢が高い人ほど意識して摂ったほうがよいというのが一つの答えです。

では、大人1人当たり毎日どれくらい摂ればよいのかと言うと、効果・効能を期待する場合、1日5g前後必要だとされています。これまでに行われている臨床試験では、1日2〜10gぐらいで効果が表れてくるようですが、その量を普通の食事で摂ろうと思ったら、かなりの量の肉や魚を食べなくては間に合いません。

例えば、牛肉やマグロなら200〜300g、スケトウダラなら2尾ぐらいの摂取が必要です。自分の食生活を振り返って、それほどの量のたんぱく質を毎日摂っている人はほとんどいないと思います。

コラーゲンが豊富な食品としては、例えば手羽先、牛すじ、フカヒレなどが挙げられますが、手羽先をたくさん食べれば脂肪の摂取が増えますし、牛すじは調理が大変です。フカヒレは日常的に多量に食べられるような身近な食材ではありません。そのように、食品だけから必要量を摂ることは難しいわけです。

サプリメントのプラセンタ含有量には要注意

プラセンタは、通常、食品として摂取することはありませんから、標準摂取量という考え方にはなじまないところがあります。しかし、プラセンタの効果・効能を十分に得るために推奨される摂取量という意味では、私の開発したサプリメントで換算すると原末で40㎎ぐらいになります。ただし、これは非常に高品質のプラセンタを使っているという前提です。

JHFA(公益財団法人日本健康・栄養食品協会)では、プラセンタエキス純末(原末)での表示を基準にしていますが、業界内で足並みがそろっていません。そうした事情もあって、消費者が簡単に比較できるようになっていないのです。

ちなみにJHFAは、1日当たりエキス純末で100㎎の摂取を目安にしていますが、エキスの品質もまちまちなので、一律に比べられません。

さらに、原末で表示していない場合は、比較のしようもありません。例えば、「プラセンタ何万㎎含有」といった表示をしている商品もあるようですが、これはとうてい原末としての量ではありません。

消費者がサプリメントを選ぶ際に、目的とする成分の含有量を比べるのは分かりやすい方法ですが、「何万㎎」といった表示はそれを逆手にとって、液体成分全体の量を表示している可能性があります。

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