ウェルネスコラム「免疫力アップの鍵を握るたんぱく質「コラーゲン」」

ウェルネスコラム

書籍連載

【第4章】免疫力を向上させて、がんにならない体をつくる
免疫力アップの鍵を握るたんぱく質「コラーゲン」

コラーゲンは全身に広がる体の要

コラーゲンは、わが国では「肌の若さを保つ」ということで、特に女性に人気があります。欧米では、関節痛の軽減効果についての研究が多いようです。つまり、コラーゲンに関しては、従来、肌と関節が2大テーマだったと言えるでしょう。しかし、肌と関節への言及が多いからといって、そこにだけ関与しているわけではありません。コラーゲンという成分は、全身のたんぱく質の30%ほどを占め、人体にとって極めて重要な物質なのです。

一生がんにならない体をつくる

一生がんにならない体をつくる

コラーゲンは、骨、軟骨、腱(けん)、靱帯(じんたい)、内臓を含む粘膜をはじめ、あらゆる組織に弾力性をもたせる大切な役割をもっています。粘膜修復作用は、粘膜の成分としてコラーゲンが果たしている役割と無関係ではありません。

また、私はコラーゲンによる動脈硬化「アテローム性粥状(しゅくじょう)動脈硬化症」の減少・予防効果を研究し、ヨーロッパ特許庁、香港、シンガポールなどで国際特許を取得しています。血管の一番内側にある内皮細胞が障害を受けると動脈硬化が始まりますが、コラーゲンには、この血管内皮の保護、修復作用があるのです。

また、コラーゲン不足になると神経の働きも低下します。神経はたくさんのニューロンがシナプスという接点でつながって長い組織をつくっているのですが、そのシナプスにコラーゲンが関与しているのです。認知症の人がコラーゲンのメディカルサプリメントを摂取して改善したケースもあります。

そうした事例から、私は動脈硬化症や認知症も、コラーゲン不足からある程度説明ができると考えています。

認知症には、アルツハイマー病と脳血管性があります。アルツハイマー病は脳内にβ(ベータ)アミロイドが沈着して発症し、脳血管性は、脳動脈硬化が原因で発症します。肉食が多い欧米ではアルツハイマー病が多く、日本では脳血管性が多くなっています。

人体のうちコラーゲンを含む部位の図

外見と体内の健康度は表裏一体

がんに対する免疫力の高さは、NK活性で示されます。しかし、NK活性を日常的に測ることはできません。では、どのように自分の免疫力を把握するかです。

ある程度、免疫力の強さを知る目安として、見た目の印象も大事だと考えています。それなら毎朝、身支度のために鏡を見たときにでも分かります。

私たちはふだんから、「今日は元気そうだね」とか「おや、元気がないね」といった言葉を交わし合います。見た目が元気そうなときと、元気がなさそうなとき、そこにはそのときどきの免疫力が反映されているのではないでしょうか。

がんの患者様たちと日常的に接していて、健康な人たちよりやはり弱々しい印象を受けるからです。個人差はありますが、たくさんの人を見てきた平均的な印象を言うなら、見た目に元気がないように感じるのです。

では、その見た目の元気さの違いは、いったいなぜ現れてくるのでしょうか。それはコラーゲンの状態だと思うのです。

コラーゲンが充実していれば、その影響が皮膚に現れてきます。例えば、肌の張りやつやがよいということです。肌にたるみやくすみが目立つ人と比べれば、どちらが元気か一目瞭然です。

皮膚のしわ、たるみ、シミ、くすみには、コラーゲンの減少が反映しています。そうして外見に現れている現象は、当然、体の中でも同時進行しているわけです。

粘膜と皮膚は、体内にあるか体表に出ているかという違いがあるだけで、構造的に同じです。ですから、内(粘膜)が若くて外(皮膚)がボロボロということはあり得ないわけです。体は表裏一体なのです。

胃腸が丈夫な人は元気で免疫力も高い

翻って体内を見ると、胃腸が丈夫でもりもり食べられる人、毎日すっきりと快便の人は、明らかに元気です。これも免疫力と関係が深いのではないでしょうか。

胃の粘膜下層(基底膜)には、組織の土台としてコラーゲンがたくさん含まれています。先ほど、加齢に伴う胃粘膜の萎縮が、メディカルサプリメントによるコラーゲンの摂取で改善していることを紹介しました。

そして、粘膜はあらゆる臓器にあるわけですから、同じ消化器系の腸も含め、そのほかの臓器にも、コラーゲンの摂取は同じように有効なのではないかと私は考えています。

がん治療では、多くの場合、抗がん剤による化学療法が行われます。コラーゲンを摂取していると、その副作用も軽減するようです。例えば、よく知られている抗がん剤の副作用に脱毛がありますが、コラーゲンは、その脱毛からの回復を早める印象があります。

抗がん剤を投与すると食欲が低下したりもしますが、これも髪の毛が抜けるのと表裏一体です。抗がん剤は、皮膚を侵すのと同時に粘膜を侵します。皮膚が侵されて毛根がダメージを受けると髪が抜け、粘膜がダメージを受けると、当然、胃腸の具合が悪くなって食欲が落ちるというわけです。

コラーゲンを摂っていると胃腸が守られる。この意味は大きいと思います。それは結局、免疫力を守ることにも通じるからです。

全身の免疫に関わる「腸管免疫」を高める効果

腸は、最近、免疫をつかさどる臓器としても注目されています。「腸管免疫」という言葉が広く知られるようになったほどです。そのため、善玉菌を増やして腸内環境を整えることも、免疫力を高めるうえで非常に大事なことだと言われています。

その理由の一つとして、「腸は第2の脳」と言われるように、非常に多くの神経が集中していることが挙げられます。特に小腸の周辺には、非常に大きな自律神経中枢があります。これが腹部の臓器をコントロールしていることから、全身の免疫力にも大きく関わっていると言われるのでしょう。

さらに具体的な腸の免疫機能を挙げれば、小腸や大腸は、有害な物質を排除するバリアーになっています。長い管として体内を通っている消化管の内部は、厳密に構造的に見れば体の外部。つまり、腸の壁は、外部環境と接している体の最前線なのです。

そのため、腸壁には、細菌やウイルスを撃退する免疫細胞がたくさん集まっています。免疫細胞のうち、細菌や真菌、ウイルス感染細胞、そしてがん細胞と闘う役割をもつグループは「リンパ球」と言います。腸には、全身のリンパ球の約60〜70%が集まっているとも言われています。

腸内環境を整えることは、これらの免疫細胞に力を発揮してもらうためにも大切です。

腸の中には何兆個もの菌がおり、その性質から善玉菌、悪玉菌、さらに優勢なほうに付く日和見菌に分けられます。そして、このバランスが乱れると、便通が悪くなるばかりでなく、アレルギーなどの症状が現れやすくなります。つまり免疫の混乱です。乳酸菌を摂取して腸内環境を整え、免疫力を高めましょうと言われるのはそのためです。

同様に、コラーゲンを摂取して腸の粘膜を丈夫にすれば、腸管免疫がよく働いてくれるということも言えるだろうと思います。

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