コラム「発症する前に考えたい、がんの予防」

コラム

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【第2章】予防をしなければ、2人に1人の確率でがん患者
発症する前に考えたい、がんの予防

見つけにくい部位のがんほど生存率は下がる

前出の国立がん研究センターがん対策情報センターによると、2003~2005年にがんと診断された人の「5年相対生存率」は、全体で58.6%(男性55.4%、女性62.9%)でした。

一生がんにならない体をつくる

一生がんにならない体をつくる

部位別に5年生存率を見ると、生存率が高い、すなわち生き延びている確率が高いのは、皮膚がん(男性88.8%、女性93%)、甲状腺がん(男性87%、女性93.7%)、男性の前立腺がん(93.8%)、女性の乳がん(89.1%)、同じく子宮がん(75%)などです。これらは、助かりやすいほうのがんだと言ってもよいでしょう。

一方、5年生存率が低いのは、膵臓がん(男性7.1%、女性6.9%)、胆のう・胆管がん(男性22.5%、女性19.9%)、肝臓がん(男性28.7%、女性26.2%)、肺がん(男性25%、女性41%)、食道がん(男性32.3%、女性41.3%)、白血病(男性35.4%、女性39.8%)などです。

お分かりのように、死亡数の多いがんほど5年生存率が低い、というわけではありません。罹患数の多い肺、胃、大腸、肝臓、膵臓などのがんのうち、相対的に5年生存率が低いのは、肺がん、肝臓がん、膵臓がんで、これらの部位に共通しているのは、「発見しにくい」ことだと言えます。しかもたちの悪いがんでもあります。

ちなみに、胃がんや大腸がんの5年生存率はというと、胃(男性64.2%、女性61.5%)、大腸(男性70.3%、女性67.9%)と中間的です。ただし、早期発見できた場合に限れば、胃がんと大腸がんの5年生存率は9割以上です。

こうしたことから、がんに打ち勝つには、早期発見が非常に有効だということが分かります。逆に、「見つかったときには、すでに手遅れだった」という言い方がよくされますが、その意味は、「すでに相当進行していた」ということです。見つけにくい部位にできたがんほど助かりにくいのは、見つかる前に進行がんになってしまっているという傾向があるからです。

「5年生存率」と「がんで死なない確率」は別の概念

さて、ここで、こう感じた人もいるのではないでしょうか。

「おや?がん全体の5年生存率は58.6%という数字が出ているのに、さっき、がんになった人の5割以上ががんで亡くなると書いてあったぞ。おかしいじゃないか」

そう感じた方は、なかなか鋭い読み方をされていると思います。「6割近くのがん患者が助かる」という数字が実際にあるなら、5割以上ががんで亡くなるというのは明らかに矛盾しています。

しかし、これは比較対象が違うのです。5年生存率と、最終的にがんで亡くならない確率は、まったく別の概念なのです。

5年生存率という指標はくせ者で、実は、がんが治ったことを意味するものではありません。これは単純に5年後に生きていた人の割合で、そのなかには、元気でいる人も、がんが再発して病床にいる人も含まれています。

がんと診断されたとき、多くの人は自分のがんの5年生存率を気にすることでしょう。そして、「私のがんは5年生存率が50%だから、半分の確率で治るんだ」といった希望をもつと思います。しかし、5年生存率は、残念ながら完治する確率ではありません。

一般に、がんは、ある程度の大きさになって初めて診断できます。治療後に腫瘍の存在が確認できなくなると、体内に細かいがん細胞が残っているかどうかは分からないのです。したがって、医師は「がんが治った」という表現はしません。特に、進行がんは、近くに再発したり、全身に転移したりしやすい性質をもっています。いつがんが再発するか分からないのです。

それでも、5年後にがんと診断されなければ、病状が落ち着いて健康状態と大差ない「寛解」状態として扱われます。これががんを克服したケースで、ほとんどは早期がんだった場合です。一方、5年目にがんが再発して治療を受けているなら、かなり深刻な状況だと考えて間違いありません。

しかし、5年生存率では、このどちらも「生存」にカウントするのです

以前は「奏効率」を指標にしていましたが、奏効率とは分かりやすく言うと、抗がん剤等で腫瘍がどれだけ縮小したかを表すものです。奏効率100%といえば、目に見える腫瘍が消失したことを表します。ところが、進行がんの場合、いったん腫瘍が消失しても半年も経たないうちに、あっという間にがんが全身に広がって亡くなることがまれではなかったのです。

そこで、専門医たちが話し合いの末に奏効率は意味がないので、5年生存率にしようとなったのです。前述したように、5年生存率も分かりにくいのですが、奏効率よりは、がん治療の評価として実態に近いということです。

乳がんのように5年以上経ってから再発することはまれではないので、5年生存率もやがて改められるかもしれません。

また、なぜ、10年生存率がないかというと、10年では遠隔転移がんは、生存率0%になるため、夢も希望もなくなってしまうからです。

遺伝や体質よりも、「生活習慣」が、がんを呼ぶ

がん治療には、さまざまな誤解があります。5年生存率に対する一般の人の幻想も、その誤解の一つでしょう。

あえて厳しく言えば、患者さん自身にも勉強不足があるわけです。がんは怖い病気だと思っているから(おそらくがんが死を連想させるからでしょう)、元気なうちには勉強したくない。勉強しないから、「がんになるかならないかは運命。なったときはなったときだ。がんになったからといって、助かる人も多い。最近は治療も進歩している」などと、根拠のないことを自分に言い聞かせているのではないでしょうか。

そして、「いよいよがんになったら、そのときに最善の治療法を探そう」などと開き直っています。

しかし、多くの人は、「一生のうちにがんになる確率は2人に1人」と、なんとなく知っていて、がん保険に入ったりしているではありませんか。そうして治療に備えているほど、自分の身にも起こり得ることだと思うのなら、事前に勉強しておくべきではないでしょうか。

がんに対する根拠のない安心は、慢心と言うべきです。そして、その背景にあるのはがんに対する恐怖です。恐怖に負けず、現実を見てほしいと思います。

私たちは、本当にさまざまな理由をつけて、将来のがんから目をそむけています。

がんが高齢者に多いことから「私はまだがん世代ではない」と考えている人は、がん細胞が生まれてから10年がかりでがんが発症することを忘れています。例えば、60歳で発見されるがんの多くは、50歳前後に誕生していたがん細胞が成長したものです。

また、「私はがん家系ではない」と言う人がいます。確かにがんには遺伝的素因もありますが、むしろ誤った生活習慣のほうが、体質よりも大きなリスクファクターになります。親や祖父母ががんでなくても、がんで亡くなる人は少なくありません。

さらに、「私はがんになるような生活をしていない」と胸を張る人もいるでしょう。しかし、誰の体の中でも日常的にがん細胞が生まれていることを忘れてはなりません。がんは一つの原因からではなく、さまざまな要因が複雑に絡み合って発症します。「タバコを吸っていないから肺がんにならない」と単純には言えないように、何が原因で発がんするかは、誰にも予測できないのです。

進行がんは標準治療では治せない

最大の誤解は「がんになっても、医師に任せておけば大丈夫だろう」というものです。

結論から言えば、がん専門医でも、進行がんを治す自信はもっていません。というより、その手段がないのです。進行がんに対しては「延命」を目的として治療を行うことがコンセンサスになっており、事実、標準治療にはそれ以外の方法がないのです。

その証拠に、大きな病院で手術を受け、進行がんと診断されたとします。医師はあなたに対して、「これからできるだけ長く延命できる治療をします」などと言うでしょう。患者さんがピンと来て「私は治ったのではないんですか?治らないんですか?」と聞いても、「治ります」とは答えないはずです。「完治することは難しいですが努力しましょう」とか「再発しないように最善を尽くします」などと、言われることが大半です。

治療には患者さんやご家族の同意が必要なので、「延命を目的として抗がん剤治療を行います。その副作用はこうで......」と説明しますが、それを聞いたらたいていの患者さんは、がっかりするはずです。そのどこにも、"助かる"という言葉がないからです。

念のために整理しておくと、進行がんとは、末期がんのことではありません。再発したり、全身に転移したりする「性質」をもったがんのことです。たとえ患者さんが今元気でも、手術後にそういう性質をもったがんだと分かったなら、医師にはもう先が見えているのです。

なぜなら、全身に飛び散る進行がんには、全身療法でしか対処できないのですが、標準治療のなかで全身療法といえば、抗がん剤しかないからです。抗がん剤に延命効果はあっても、最後にはどうやっても効かなくなるということは、医師なら誰でも知っています。

それでは、進行がんで完治する方法はないのかというと、標準治療以外ならあります。私が9年前から導入しているANK免疫細胞療法です。標準治療のがん専門医は、ANK免疫細胞療法を否定します。これは科学的根拠のない否定で、そのため多くのがん患者が悲惨な結果を迎えています。詳しくは、『がんと診断されたらANK免疫細胞療法』(幻冬舎メディアコンサルティング)および『医者の噓』(幻冬舎)を参照ください。がん死を画期的に減らし、国民医療費を減らす方法があるのに、それを知ってか知らずか、否定しています。がん標準治療の専門医の責任は重いと言わざるを得ません。がん治療の現状を打開するため2014年4月一般社団法人「がん治療設計の窓口」を設立しました。これは、がん対策基本法の基本理念である、

1. がんの克服を目指し、がんに関する専門的、学際的または総合的な研究を推進するとともに、がんの予防、診断、治療等に係る技術の向上そのほかの研究等の成果を普及し、活用し、および発展させること。

2. がん患者がその居住する地域にかかわらず等しく科学的知見に基づく適切ながんに係る医療(以下「がん医療」という。)を受けることができるようにすること。

3. がん患者の置かれている状況に応じ、本人の意向を十分尊重してがんの治療方法等が選択されるようがん医療を提供する体制の整備がなされること。

というものが、医療現場で心ない医師に踏みにじられ、がん患者ががん治療の選択肢を狭められている現状から解放して、あらゆる先端医療を紹介し、がん完治のお手伝いをするのが目的です。

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