コラム「日本人の2人に1人が、がんになる時代がやってくる」

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【第2章】予防をしなければ、2人に1人の確率でがん患者
日本人の2人に1人が、がんになる時代がやってくる

男性の約6割、女性の約5割が、がんを発症

生きている間にがんになる確率「生涯罹患(りかん)率」はどのくらいでしょうか。
国立がん研究センターがん対策情報センターは、国民が生涯でがんに罹患する確率を継続的に算出しています。これはもちろん実数ではなく、複数の地域で実際にがんになった人のデータを元に、統計学的手法で予測しているものです。

一生がんにならない体をつくる

一生がんにならない体をつくる

一般に、「国民の2人に1人はがんになる」と言われていますが、平成22(2010)年のデータでも、およそ2人に1人が、生きている間にがんになると見込んでいます。ただし、この生涯罹患率でも、男性は60%、女性は45%と、男女差があります。

前コラムでは、死亡という人生最後の時点を切り取って、その原因に占めるがんの割合を見たわけですが、がんによる死亡率は全体の28.7%でした。当然ながら、がんになったからといって、死亡の直接の原因が、がんであるとは限らないわけです。

かなり多くの人が、がんを克服し、あるいはがんと共に生きて、ほかの原因で亡くなっていることになります。

がんを克服できるのは、がん患者の半数以下

では、がんになったあと、がんを直接の死因として亡くなる人の割合はどのくらいになるのでしょうか。もちろん世代間の違いもあり、人それぞれの歩みがありますから、すでに亡くなった人と、これからがんになる人を結びつけることはできません。しかし、数字に表れる事実として、以下のようなことが推計されます。

男性の場合、がんの生涯罹患率は60%、そして、がんによる死亡率は全体の32.8%なので、がんになった人のおよそ55%(32.8÷60)が、いずれがんによって命を奪われると推計されます。女性は、がんの生涯罹患率45%、そして全体の24.3%ががんで亡くなるので、がんになった人の54 %(24.3÷45)が、がんを直接の原因として亡くなると推定されます。

男女ほぼ同じ数字になることからも、このあたりが現在の医療が実際にがんを克服できる水準ではないかと考えてよいでしょう。

冷徹すぎる分析かもしれませんが、がんになった人全体で、5割以上が将来的にがんで亡くなると予想されます。逆に言えば、がんになったとしても、半分近くの人ががんには負けずにほかの要因で亡くなるとも言えます。

以上の数字から、わが国のがんの実態をまとめれば、①日本人男性の60%は、生涯にがんになる可能性があり、その55%ががんが要因で亡くなると推定される、②日本人女性の45%は、生涯にがんになる可能性があり、その54%が、がんが要因で亡くなると推定される、ということになります。あくまでも、この数字はがんの部位を無視しています。かつ、将来の治療成績が現在と変わらないことが前提です。

もちろん私は、がんの罹患率も死亡率も、もっともっと減らしていけると考えています。減らしていかなければなりません。

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