ウェルネスコラム「ANK免疫細胞療法を"最終手段"と考えてはいけない」

ウェルネスコラム

書籍連載

【第4章】再発・転移を防ぐことが重要な”治療”
ANK免疫細胞療法を"最終手段"と考えてはいけない

標準治療を補完するANK免疫細胞療法

ここまで私は、自分が進行がんの患者様を救う手段として「理にかなっている」と考え、ANK免疫細胞療法の臨床現場での実情を書いてきました。そのANK免疫細胞療法の真価を理解していただくには、まず、がんという病気を正しく理解していただく必要があると考えました。

がんと診断されたらANK免疫細胞療法

がんと診断されたら
ANK免疫細胞療法

がんの正体は「免疫病」であり、日常的にがんの発症を防いでいる免疫監視機構(腫瘍免疫)のほつれが、がんという鬼子が増長し、はびこるのを許してしまいます。そして、進行がんになると今度は「全身病」です。全身に転移して、標準治療の網の目をかいくぐる魔物になってしまいます。全身に散らばったがんに対処するには全身療法が必要ですが、標準治療は基本的に、全身療法として抗がん剤(殺細胞剤)という武器が主流です。

殺細胞剤治療の限界はかねて認識されていましたが、最近になって、がんに対する分の悪さがよくわかってきました。細胞レベルでがんの研究が進み、腫瘍組織の芽として「がん幹細胞」が存在すること、殺細胞剤で根絶するのが厄介な性質であることがはっきりしてきたからです。がん幹細胞をどうにかしなければ、がんの根治は困難だということです。

では、我々は今、がんといかにして闘うべきでしょうか。

60年以上前に枠組みができたがん標準治療は、がんの本質である免疫という視点は持っていません。しかし、手術で早期がんを完治するケースをはじめ、ここまで洗練されてきた標準治療は決してがんに対して無力ではありません。そこに不足している武器や、細かい治療設計の欠陥を補うことで、より効率よくがんと闘えるのではないでしょうか。

そのときプラスするべき有力な武器が、ANK免疫細胞療法ではないか。私はそう直感して、この免疫細胞療法を取り入れたのです。勢いの強いがんを強力に叩く標準治療、そこに免疫病、全身病であるがんに原因からアプローチする「根本治療」としてANK免疫細胞療法を加える。それが、現在考えうる最良のがん治療ではないでしょうか。

この理想的ながん治療が受けられるのは、日本だけです。

がん治療には"旬"がある

私をはじめANK免疫細胞療法に携わる医師は、ANK免疫細胞療法を唯一正しいがん治療法だとは考えていません。大きな腫瘍、勢いのあるがんに立ち向かおうとするとき、ANK免疫細胞療法だけでは非力にすぎる場合が多いことを身に染みて感じています。

読者の皆さんに、まずANK免疫細胞療法というがん治療法もあることを知ってほしい。それは執筆の動機の大きな部分です。しかし、その際に、正しくANK免疫細胞療法を理解していただくことが非常に重要だと考えています。

よく「夢のがん治療法」「がん治療の最後の砦」といった言葉を、報道で目にしたり耳にしたりします。究極の治療法がもうすぐできるから、あるいは最後の手段がまだあるから、がんになっても大丈夫とでもいうのでしょうか。冗談ではありません。どんな治療法ができたとしても、がんは一筋縄では治療できない難敵です。ANK免疫細胞療法も、決して「どんながんでも治る夢の治療法」ではないのです。

乱暴な言い方になるかもしれませんが、がん治療には〝旬〟があるのです。タイミングを逃したら、うまくいくはずのものがうまくいかなくなる。そういう意味です。

多くの場合、人は突然、検診などでがんと宣告されます。頭のなかが真っ白になり心の準備、気持ちの整理がつかないままに治療のレールに乗って、行けるところまで行くことになります。もし、それが早期がんの早期発見・早期治療だったら幸運です。しかし、比較的予後のよい大腸がんでも、進行がんになると生存率は急に下がってしまいます。早期のうちに治療できるかどうか、それが第1の分かれ目です。

次に進行がんであったときです。そのとき、標準治療とは別の選択肢(ANK免疫細胞療法)を知っていて、すぐに動くか、動かないかが第2の分かれ目になります。ANK免疫細胞療法は、標準治療とはまったくアプローチの違う治療法ですから、進行がんを治すうえで有力な補完療法になります。しかし、標準治療であらゆる手段を尽くしてから、「最後はANK免疫細胞療法しかない」と駆け込まれても、そこからの治療はそう簡単ではありません。その難しさは、ここまで読んでいただいた方には、もうわかっていただけていると思います。

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