ウェルネスコラム「治療計画の重要性」

ウェルネスコラム

書籍連載

【第3章】自己免疫でがんを消すANK免疫細胞療法
治療計画の重要性

目に見えて効果が現われるまでには時間がかかる

ANK免疫細胞療法は、単独で行なっても進行性のがんを治せる治療法として設計されています。ただし、NK細胞が1対1でがん細胞をつぶしていく治療法ですから、単純に「数の勝負になる」面もあるのが特徴です。腫瘍組織の大きさや、がんの増殖の速さにもよりますが、がんが消え、治癒したとみなせるようになるまでには、ある程度の時間がかかることはいたしかたありません。

がんと診断されたらANK免疫細胞療法

がんと診断されたら
ANK免疫細胞療法

大きな腫瘍があれば、がん細胞の数は膨大なものになります。がんが画像診断で見えてくるのは1cmぐらいの大きさになってからですが、その1cmのサイコロのかたまりのなかにさえ10億個のがん細胞がいます。2cmになれば3乗ですから80億個。3cmになれば270億個です。それに対して、ANK免疫細胞療法で1回に投与するANK細胞は5億~10億個です。

全身には数百億個のNK細胞がいるともいわれていますが、強い免疫抑制下で活性が下がっている数百億個は、単純にANK細胞に加勢する味方ではありません。眠っている仲間を起こさなければならないANK細胞にとって、当初はむしろ、足を引っ張るような存在になるとも考えられます。圧倒的に数の多い敵(がん細胞)を相手にし、大勢の味方(眠っている体内のNK細胞や免疫細胞)に足を引っ張られるイメージです。

ANK細胞の投与を始めた段階では、点滴が徐々に免疫レベルを上げているとしても、見かけ上は、まったく効いているように見えないはずです。がんの勢いが免疫力を上回っている間は、がん細胞の総数は増え続け、むしろ腫瘍が増大し続けることもあるからです。

治療を続けるうちに徐々に免疫レベルが上がり、がんの勢いと拮抗してくると、ようやくがん細胞の総数が増えなくなります。治療が効いていると感覚的にわかるようになるのは、おおむねこの段階からでしょう。免疫力がさらに回復し、その勢いががんを上回るようになって、初めてがん細胞は減少に転じ、ANK免疫細胞療法の効果が目に見えてわかるようになっていきます。

私が2012年1月からハーセプチンを併用するようにした最大の理由は、ANK免疫細胞療法を希望される患者様の大半がステージⅢ~Ⅳだからです。その場合体内のがん細胞は数百億から一千億超なので、数と数の闘いではANKが圧倒的に不利なため、起死回生の提案をしたのです。

最近になって、きわめて短期間に改善した症例が2例ありました。 2例とも胃がんです。両者の共通点は、化学療法を全く受けておらず、ハーセプチンを併用したという点です。とくに、73歳の胃がんでは、2カ所の生検でがんが消えていることが確認できました。2例とも、がん細胞の数は数百億あったと思われますが、1クール(12回)終了前に内視鏡で明瞭な改善を認めました。

ANK 療法でのがん細胞数の変化の図

ANK免疫細胞療法だけでは費用が膨大に

ANK免疫細胞療法のメリットは、体のあちこちに散らばった転移がんでも、目に見えない微小分散がんでも、がん細胞を最後まで追いつめて、しらみつぶしにしてくれることです。全身病としてのがん、小さいがん、見えないがんに対しては、これほど優れた治療法はありません。その結果、標準治療では困難な進行がんの完治を望めることが、ANK免疫細胞療法の大きな特長なのです。

しかし、大きながんをANK免疫細胞療法だけで治療しようとするのは大変なことです。形勢を逆転し、がんを圧倒するまでに、あまりにも余計な時間と費用がかかることになり、勢いが強い進行がんとの闘いでは、非常に不利に働く可能性があります。

それでも仮に、ANK免疫細胞療法だけで大きながんを治そうとするなら、5クール、6クールでは済まない場合も想定しなければなりません。ANK免疫細胞療法の1クールは約400万円で、その多くは培養経費です。5クールなら約2000万円、6クールなら約2400万円......と、膨大な治療費がかかります。これほどの治療費をまかないきれる人がどれだけいるでしょうか。

もちろん、お金はいくらかかってもいいとご本人が考えるなら、それは自由です。しかし、もうひとつ大きな問題は、ANK免疫細胞療法の効果がはっきり現われてくれるまで、肝心のご自身の命や体力がもつかどうかです。限られた時間のなかでANK免疫細胞療法だけに賭け、がんの勢いが強いうちは腫瘍の増殖を甘んじて受け入れるという方法が、果たして得策といえるかどうかです。

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