コラム「NK細胞療法とANK免疫細胞療法の違い」

コラム

書籍連載

【第2章】NK細胞を活性化しないとがんは消えない
NK細胞療法とANK免疫細胞療法の違い

NK細胞療法とANK細胞療法は似て異なる治療法

日本では、腫瘍免疫の主役であるNK細胞の培養技術が確立する前に、さまざまな免疫細胞療法が普及しています。ANK免疫細胞療法以外の免疫細胞療法で活用されているのはNK細胞より培養しやすく、がんを叩く能力が劣るT細胞や樹状細胞などです。

がんと診断されたらANK免疫細胞療法

がんと診断されたら
ANK免疫細胞療法

がんと闘う免疫の主役はNK細胞であって、それは論を待ちません。しかし、すでに述べたようにNK細胞の培養は極めて難しいことから、次善の策としてCTLなどの応用が探られたのです。樹状細胞療法やがんペプチドワクチン療法も、そこに含まれます。なかには、漠然とリンパ球全体を増やし、そのなかにNK細胞が含まれることをもって「NK細胞療法」と称するものもありますが、これまでNK細胞の実用化に成功したのは、唯一ANK免疫細胞療法を開発した京都大学のグループのみです。

「NK細胞療法」は、培養法がANK免疫細胞療法とまったく異なります。ネットで検索すると、「NK細胞療法」と称している医療機関が山ほど出てきます。しかし、その培養法は血液を数十ml採取してIL2といっしょに血液バッグに入れ、2週間ぐらい放置するだけです。増殖率は理論上の限界値でも数十倍で、活性度も高くはありません。

ANK免疫細胞療法は、原則としてリンパ球採取です。リューコフェレーシスの機械で血液を体外に出して遠心分離し、大量のリンパ球を採取してNK細胞を培養します。その際、5000~8000ml相当の血液からリンパ球を採取します。全血採血の数十mlと比較すると、100倍から400倍のリンパ球が採れることになり、しかもきれいに分離されたリンパ球が採れるので、培養に際しても非常に有利です。その結果、ANK免疫細胞療法の培養法では、NK細胞が健康な人なら1000倍以上、がん患者様でも数百倍に増殖させることが可能で、活性度もほかの方法と比較にならないほど高いのです。

先述したとおり、NK細胞は、1980年代にアメリカのLAK療法でがん治療での有効性が証明されたものの、培養が難しかったために実用化できなかった腫瘍免疫の主役です。今や、私たちはその培養技術を手に入れています。私は研究者ではありませんが、一臨床家として、その有用性をもっと多くの医師や患者様に知ってほしいと考えています。

「ANK 免疫細胞療法」と「NK 細胞療法」の違い

医師が求めるがん治療

ANK免疫細胞療法の意義を正しく理解し、ほかの免疫細胞療法とどこが違うのか、免疫というものにしっかり向き合ってみましょう。

免疫とは、体を病気から守る複雑極まりないシステムです。けがをしたときにはたらく免疫も、感染症に対する免疫も、自己免疫疾患に関わっている免疫もあり、そして、がんに対する免疫もあります。

これらは、一口に免疫といっても、そこではたらく免疫細胞はまったく異なります。それをしっかり理解することで、「がんの治療でいちばん重要な免疫細胞は何か」もおのずとわかります。日常的にがんの発生を抑えており、本来、免疫細胞療法の主役であるべき免疫の正体はナチュラルキラー細胞なのです。

現在、国内で免疫細胞療法を行なっている医療機関は600あるといわれ、増え続けています。ただし、その免疫細胞療法医療機関のうち95%は、ANK免疫細胞療法以外の免疫細胞療法を採用しています。ANK免疫細胞療法の提携医療機関は2013年9月時点で、およそ30ほどでした。私のクリニックにANK療法を求めて来院される患者様のなかには、ほかの免疫細胞療法を受けてからANK免疫細胞療法を選択して来られる患者様も少なくありません。

ANK免疫細胞療法以外の免疫細胞療法のゴールはQOL(生活の質)の改善ですが、ANK免疫細胞療法の目指すゴールは完治です。免疫について理解を深め、回り道にならないようにしてほしいと思います。

最近、医師のがん患者様がANK免疫細胞療法を求めて来院するケースが、徐々にですが増えています。彼らは、いろいろ調べてみた結果、ANK免疫細胞療法が最強の免疫細胞療法だと理解したからといいます。医師が求めるがん治療はANK免疫細胞療法なのです。

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