コラム「進行がんは全身病」

コラム

書籍連載

【第1章】かぜもがんも原因は「免疫力」
進行がんは全身病

がんには2つのタイプがある

ここで、私の臨床経験から、ぜひ伝えておきたいことがあります。私は消化器科の「内視鏡専門医」として、年間3000件、胃や食道、大腸の内視鏡検査を施行しています。

がんと診断されたらANK免疫細胞療法

がんと診断されたら
ANK免疫細胞療法

この本を書いているように「ANK免疫細胞療法医」でもありますが、がんをさわったこともないのに、やみくもにリンパ球だけ採って点滴しているわけではありません。

実のところ、民間の病院で「年間3000件の内視鏡検査」というのは、国内ではかなり多い件数です。これは、検診ドックも併設して、早期発見・早期治療に文字どおり貢献しようとしてきた結果です。そうして診てきた経験として、がんには、やはり2つの区分があるのです。

「早期がん」と「進行がん」です。

早期がんというのは「局所」の病変で、粘膜内にとどまっています。上皮内がんともいいますが、上皮とは粘膜のことを指しています。そのようながんは、例えば胃がん、食道がん、大腸がんなら、内視鏡でがんを含む粘膜をそぎ取るだけで治療が完結します。その後に転移する確率は5%以下です。

がんが1カ所にとどまっていることを、医師は「局所の」とか「限局性の」と表現します。そのような局所の病変として粘膜内にとどまっている早期がんは、まだ飛び散らない、つまり転移しないがんがほとんどなのです。早期がんに関しては、手術で治ります。

腫瘍の塊を取れば、体内にがん細胞がいなくなるはずだからです。

敵は全身に散らばったがん細胞

一方、進行がんの場合は手術だけで治すのは困難です。

進行がんは粘膜の外に「浸潤」している、つまり飛び出してしまっているタイプです。粘膜外には、粘膜下層、筋層、漿膜(しょうまく)などがあり、さらに他の臓器と接していますが、そこまで進んでしまっているのが進行がんです。

がんには2 つのタイプがある

いったんがんが浸潤すると、血液やリンパに乗って全身に散らばります。その場合、病巣を完全に切除しても、すでにがん細胞は全身に散らばっており、検査で見つからなくとも体内に10億未満の数で残存しています(検査で見つかる直径1cmの大きさでがん細胞は約10億個あります)。ですから、進行がんの場合は、手術に成功したからといって治ったとはいえません。続けて、全身に回っているがん細胞と闘う「全身療法」を検討する必要が出てくるわけです。

しかし、その闘いは早期がんに比べて格段に分の悪いものになります。進行胃がんでは、転移していると5年生存率が5%以下になってしまいます。

【次のページ】標準治療の限界を知る

【前のページ】がん特有の異常な「免疫抑制」

目次へもどる

がんの相談センター

ご相談・資料請求はこちら