コラム「がんになる人とならない人がいる」

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【第1章】かぜもがんも原因は「免疫力」
がんになる人とならない人がいる

遺伝子的要素や環境よりも「免疫」

がんの原因としては、遺伝因子と環境因子が重視されていますが、もっと重要な因子があります。それは免疫力です。あなたの周りにも、かぜもひかないような人がいるでしょう。そういう人は、免疫力が極めて高いのです。
免疫力が高い人は、がんになりません。

がんと診断されたらANK免疫細胞療法

がんと診断されたら
ANK免疫細胞療法

2013年5月、米国の人気女優アンジェリーナ・ジョリーさんが乳房切除・再建術を行ったことを発表して世界の注目を集めました。検査でがん抑制遺伝子に変異(異常)が見つかり、将来、乳がんになるリスクが高いと診断されたため、予防的乳房切除を選択、2月から4月にかけて手術を受けたのだそうです。彼女は遺伝的に卵巣がんになるリスクも高いため、さらに卵巣の摘出手術も受けるよう医師から勧められているという報道もありました。要するに、「将来の発がんを防ぐ」という理由で、健康な乳房や子宮付属器を取ることを医師が推奨しているわけです。その報道に触れて、私は疑問に思いました。発がんの最も重要な因子は、遺伝子ではなく免疫力なのです。

免疫の担い手とは

1975年、米国NIH(国立衛生研究所)などで、免疫に関する重要な発見がありました。健康な人の血液のなかに、活性が高ければ、どのようながん細胞でも、学習プロセスを必要とせず、出会ったその場でいきなり攻撃する、生まれながらの「がん殺し」がみつかったのです。その細胞は、自然免疫の殺し屋細胞「ナチュラルキラー(NK)細胞」と名付けられました。

白血球の仲間にT細胞というものがあります。そのT細胞の一種であるCTLが、ごく一部のがん細胞だけを攻撃することはわかっていました。ところが、あるがん細胞を攻撃するようになったCTL集団に別のがん細胞を与えても攻撃しません。CTLが、実際にがん細胞を攻撃するには学習プロセスが必要で、一度、学習したCTL集団は、新たな標的には見向きもしません。ところが、元気な人の血液とがん細胞を混ぜると、がん細胞が消滅し、新たながん細胞を加えても、やはり消滅する現象が確認されます。誰の指示も受けずに、生まれた時から攻撃すべき敵を知り抜く、がん退治の本命として、NK細胞は見つかりました。

わが国の統計で、2人に1人はがんになるという数字があります。しかし、それはあくまでも一般論であり、個別に見ると、NK活性(NK細胞の活動力の高さ)が高い人はがんになりません。たとえ発がん遺伝子を持っていたり、がん抑制遺伝子に変異が見られたりしても、NK活性が高ければ問題ないのです。

統計的には、10人の人がいれば、そのうち5人の人が発がんすることになります。しかし、極論をいえば、10名ともNK活性が高いグループなら1人もがんにはならず、10名ともNK活性が低いグループなら全員ががんになりやすい、ということもできます。統計はあくまでも一般的な確率論であり、その数字のみに踊らせれてはなりません。

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