コラム

書籍連載

はじめに

「健康ブーム」といわれる昨今、健康・医療への関心はますます高まっています。TVの健康番組は毎日のように放送され、年間ベストセラーランキングには健康関連の実用書が数冊ランクインしています。特に最近は「ドロドロ血」、「サラサラ血」をテーマにした企画や特集が組まれ、血液について注目されていると感じます。

がんと診断されたらANK免疫細胞療法

血管が若がえれば
健康寿命はのびる

では血液の流動性に大きく関わる血管とは何なのかご存知でしょうか。単に、「血管=血液の通り道」と考えている方も多いと思います。間違いではありませんが、それでは血管を軽視しすぎています。サラサラにしたいと思う血液以上に、実は血管こそ気にすべき存在なのです。

その理由をお話ししましょう。

身体にはたくさんの器官が存在します。わたしたち人間が健康に暮らしていけるのは、これらの器官がそれぞれの役割を果たしているからです。

脳、肝臓、胃、大腸など、種類も働きも様々な器官のなかで、心臓と同じ循環器に分類される血管・リンパ管のことを総称して「脈管」といいます。脳や心臓などのような器官として認識されることはあまりないかもしれませんが、血管は全身すべての細胞の生命に関わる重要な器官です。

人体は約60兆個もの細胞で構成されています。そのすべてが酸素や栄養素などを取り込み、老廃物を排出しています。血管は、この酸素・栄養素・老廃物などの運搬を行う血液のための通り道であり、その活動を大きく左右する器官なのです。

人体を日本列島に例えれば、血管は上下水道網などのインフラと同じ役割を持つ、生命維持に欠かせない重要なライフラインだといえるでしょう。ライフラインが正常に機能していなければ、日本列島の都市の機能――人体でいうところの細胞の健康はおろか生命維持すらも不可能です。

つまり食事や健康に気を使い、サラサラな血液になったとしても血管そのものにトラブルがあっては血液も栄養分も体内に送り込むことはできません。

血管は、人体の機能を維持するうえで必要不可欠なものなのです。

日本は、世界でも有数の長寿国です。
喜ばしいことですが、その一方で、わたしたちは心筋梗塞や脳卒中といった重篤な病気のリスクにさらされ続けています。

実はこうした生命の危機に関わる病気の多くは、血管のトラブルが原因です。

血管が劣化しトラブルが起こると、血液の循環がうまくいかなくなります。すると、代謝が損なわれ、身体の変調だけでなく、放っておくと脳卒中や心疾患を引き起こし、場合によっては重い後遺症や死を招くことになります。

血管の組織が劣化する要因はたくさんありますが、そのなかで最も重要視されているのが「老化」です。

しかし、血管の老化には自覚症状も少なく、見逃されがちです。

読者のみなさんのなかには「老化」という現象は、避けられない宿命のようなものだと考える方も多いかもしれません。確かに、これまでの医療では、血管そのものの劣化を修復する治療法はありませんでした。しかし心配はいりません。

血管の老化は予防可能です。簡単なメンテナンスで、血管の老化によって起こる様々な病気を未然に防ぐことができるのです。わたしのクリニックでは、実際に多くの患者さんがその効果を実感しておられます。

本コラムでは、血管そのものに着目し、血管の老化と病気の関連、そして血管を若返らせる実践的な方法、健康効果について、具体的なデータを交じえながらわかりやすく解説しています。

血管の老化を防ぐことで、多くの病気を予防することが可能なのです。

本コラムをお読みになって、ぜひ血管をメンテナンスする習慣を身につけてください。そして、あなたの末永い健康のお役に立てるのであれば、医師としてこれ以上の喜びはありません。

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