ウェルネスコラム「健康ブームの落とし穴」

ウェルネスコラム

書籍連載

終章
健康ブームの落とし穴

健康ブームの落とし穴

ごく普通のクリニックを経営する開業医であるわたしがどうしてコラーゲンの臨床研究を行い、自ら開発したサプリメントの国際特許を取得することにしたのか。周囲の医師からも不思議がられることがあります。

がんと診断されたらANK免疫細胞療法

血管が若がえれば
健康寿命はのびる

この理由についてお話ししましょう。

わたしは医療の現実と、多くの人々が求めている希望とのあいだに大きな溝が生じていることに常々、疑問を抱いてきたのです。

こんな数字があるのをご存知でしょうか。

我が国のOTC医薬品(Over The Counterの略。処方箋がなくても購入できる薬局の医薬品)市場は7800億円ほどです。これに対してサプリメントをはじめとする健康食品市場はすでに2兆円を超えるといわれており、更にとてつもない勢いで急成長を続けています。近いうちに、約6兆円の処方箋薬(医師の処方が必要な医薬品)市場と肩を並べるだろうと予測する声も少なくありません。

医師が処方する薬、薬局で購入できるOTC薬には、いずれもエビデンス(科学的証明)があります。ひと言でいえば「効く」ということが客観的に確認されており、ある程度効果が確実な薬だといえます。もちろん副作用についても綿密な調査が行われていますから、その点からも安心して使用することができるでしょう。また日本の医薬品は、世界的には「慎重過ぎる」と見られているほど厳しい審査を経ているのだともいわれています。

こうした事実はみなさんよくご存知のことでしょう。ところが、それでも多くの消費者は、効果のはっきりした薬ではなく、エビデンスの不確かなサプリメント、健康食品にお金を払っているのです。どうしてなのでしょうか。

薬だけではありません。今、日本では「健康」が大変なブームになっています。

テレビや雑誌、インターネットでは次々に新しい健康法やダイエット法が提案され、多くの方々が実践しています。健康効果を謳うサプリメント、食品も続々と登場し、ゲームやスマートフォンでも健康管理にまつわるコンテンツが人気を集めるようになりました。

しかし、これらのなかには専門家の目から見ると効果や信憑性に疑問符をつけざるを得ないものが少なくありません。実際、専門知識のない消費者の弱みにつけこんで、効果の不確かな商品が販売されたという被害報告も増えています。

ところが、それでもブームは根強く続いています。なぜでしょうか。

わたしはこの風潮の根底には、現在の医療、そして医薬品に対する不満があるのだと感じています。医師の処方薬が効かないというわけではないのでしょう。人々が求める真のニーズに今の医療は応えられていないのです。

そのギャップが、健康ブームやサプリメントなどの健康食品の隆盛につながっているのではないでしょうか。

サプリメントが抱える品質問題

ではこうした期待を向けられているサプリメント市場はどうでしょう。

多くの消費者は「薬の代わり」という感覚で、サプリメントを購入しているのだと思います。少なくともある程度以上の健康効果を期待しています。しかし、日本ではサプリメントを食品に分類しているので、メーカーにはすべての原料の詳細を表示する義務がありません。専門知識のない消費者が「質の良いもの」「効果のありそうなもの」「安心して使えるもの」を選ぼうと思っても、表示を読んだだけでは判断することがひじょうに難しいのが現状です。

原料の詳しい情報を自主的に表示している良心的なメーカーはごく一部に限られています。医師から見ると「これは薬事法違反ではないか」と思わざるを得ないような宣伝手法すら目にすることがあります。

ある大手製薬メーカーのサプリメント担当責任者は、「サプリメント業者の99%は偽物を扱っている」とおっしゃっていましたが、わたしもその通りだと思います。

その結果、粗悪な原料を使用したサプリメントが、イメージだけの誇大広告によって大々的に売られ、しかも人気を集めてしまっています。

有名な俳優や芸能人を起用しなくても、本当に効果があって、良いものであれば、口コミで売れるはずですから、イメージ戦略は必要ないはずです。ところが悪徳業者だけでなく、大手企業さえもブームに乗り遅れまいと、こうした行為に加担するようになってしまいました。

こうした現状は「健康」を求める消費者の気持ちを裏切っていると思います。

特に忸怩(じくじ)たる思いを感じたのは、コラーゲンについてです。

臨床研究を続けてきたわたしから見れば、重要なはずの素材、質、血管への健康効果の可能性についての議論はほとんど聞かれず、イメージ先行の広告、間違った健康知識ばかりが繰り返し喧伝(けんでん)されているように思われます。いまだに「コラーゲンは美容成分」だと思い込んでいる方が多いのは、その弊害なのです。

本コラムをお読みになった方は、既にご存知だと思います。

コラーゲンは生体の必須成分です。

血管の老化を防ぎ、多くの病気を予防する健康成分なのです。

粗悪な原料を採用せず、医療効果が期待できるクオリティの高いコラーゲンを商品としてきちんと世に出せば、これまで治療できなかった様々な病気の改善・予防に大きな効果を発揮するはずです。美容という小さなカテゴリーに閉じ込めるべきではありません。

わたしは自らの実感と臨床現場での患者さんの声、そして臨床研究での成果を通じ、自分が開発した高品質コラーゲンに絶対の自信を持っていました。その思いが、きちんとしたエビデンス(科学的証明)のあるサプリメントとしての国際特許取得へとわたしを駆りたてたのです。

医師が開発した良心的なサプリメントが普及することは、消費者の健康への期待に応えることだと考えています。良いものと悪いものがあることが分かれば、積極的に情報を確認する習慣も広がり、信用のおけるものだけが残っていくことでしょう。そのとき、高品質なコラーゲンの健康効果、血管の若返り効果は自然に広まっていくはずだとわたしは信じています。

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