ウェルネスコラム「Case4 胃がんの原因となる萎縮性胃炎」

ウェルネスコラム

書籍連載

【第4章】血管だけではないコラーゲンの医療効果
Case4 胃がんの原因となる萎縮性胃炎

胃の老化がもたらす病気とは?

わたしの専門は内視鏡です。胃と大腸の内視鏡検査を毎日10件以上、年間約3000人に行っています。これまで診てきた数は、のべ3万人以上に達するでしょう。内視鏡検査を通して、胃がんの予防的治療としての慢性萎縮性胃炎の早期発見と治療に取り組んでいます。 この胃がんの予防にもコラーゲンが活用できることに気付きました。

がんと診断されたらANK免疫細胞療法

血管が若がえれば
健康寿命はのびる

胃の内側を覆っている粘膜は、皮膚の構造とひじょうによく似ています。

わたしたちが日常的に触れている肌は、皮膚の表面部分「表皮」です。表皮を下から支えているいわば基礎部分を「真皮」といいます。コラーゲンでできているのはこの真皮です。

胃の粘膜も同じです。

粘膜の下には、強靱で弾力性のあるコラーゲンをたっぷり含んだ「基底膜」があります。つまり粘膜はコラーゲンの上に乗っかっている構造なのです。

胃は加齢によって萎縮することが知られています。胃の萎縮はすべてピロリ菌によるものだと思う方も多いかもしれませんが、ピロリ菌陰性でも萎縮性胃炎は起こります。

更にいえば、ピロリ菌を除菌したのに萎縮が残るケースも少なくありません。ポリープや胃潰瘍はがんにはなりませんが、萎縮傾向のある胃の一部は胃がんを引き起こす慢性萎縮性化生性胃炎(※)になるのです。高齢者に胃がんが多いのはそのためです。

コラーゲンの老化が胃の委縮を引き起こす

この加齢による胃の萎縮は、粘膜を支える基底膜の老化コラーゲンによるものではないでしょうか。つまりこれもコラーゲンの老化が引き起こす老化現象の一種だと考えることができるのです。

もしこの仮説が正しければ、肌が若返るのと同じように、高品質コラーゲンで胃の基底膜をよみがえらせることができるはずです。

また同時に血管も健康になりますから、胃にまつわる様々な疾患を防ぐ免疫機能の働きが活発になることも期待できます。

仮説のエビデンスを得るため、現在高品質コラーゲンを胃炎の薬と併用しながら、内視鏡検査による効果判定を続けています。胃炎の治療薬だけでは改善しなかった80症例の慢性萎縮性化生性胃炎に高品質コラーゲンを投与したケースでは、約3割に効果が認められました。まだ検証段階ではありますが、胃の粘膜の改善は確かに見られるという実感を得ています。

これは慢性萎縮性胃炎の治療・予防の可能性についての研究であると同時に、間接的な意味では胃がんを予防することにつながるものです。

※慢性萎縮性化生性胃炎
正確には、腸上皮化生といいます。専門家のあいだでは、胃がんの前のがん病変といいます。胃がん発生のメカニズムは次のように考えられています。慢性萎縮性胃炎→慢性萎縮性化生性胃炎→胃がん、というものです。

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