ウェルネスコラム「Case3 脳脊髄液減少症」

ウェルネスコラム

書籍連載

【第4章】血管だけではないコラーゲンの医療効果
Case3 脳脊髄液減少症

原因不明の病気に対する高品質コラーゲンの効用

脳脊髄液減少症という病気をご存知の方は少ないかもしれません。近年注目されるようになった治療困難な新しい病気です。脳と脊髄を覆っている三層の髄膜の一番外にある「硬膜」という膜に何らかの理由でごく小さな穴が空いてマイクロリーク(脊髄液が漏れること)が起き、脊髄液圧が低下してしまう疾患です。

がんと診断されたらANK免疫細胞療法

血管が若がえれば
健康寿命はのびる

いわゆる「むち打ち」の後遺症として見られることが多く、交通事故などの衝撃によるものともいわれていますが、詳しい原因はまだ解明できているとはいえません。主な症状は頭痛やめまい。それ以外に精神的な症状が出ることも多いなど、ひじょうに多岐に亘ります。現在のところは稀な病気ですが、実は「不定愁訴」「うつ病」と診断された方のなかにも、この病気だったことが後で判明するケースが急増しています。こうした潜在的な患者さんもひじょうに多い可能性が指摘されている病気です。

治療法としてはブラッドパッチ(自家血硬膜外注入法)がよく行われます。採取した患者さん自身の血液を硬膜外に注入し、その凝固作用で穴をふさぐという治療法です。

しかしすべての患者さんに有効ではなく、この治療ではほとんど改善しない症例も多くあります。

わたしのクリニックではこの病気の治療には、プラセンタを使用してきました。プラセンタは動物の母体から得られる胎盤で、たった10カ月で受精卵を3000グラムの赤ちゃんにまで育て上げる臓器です。古くから滋養強壮・不老長寿の妙薬として知られてきましたが、現在ではホルモン調整、免疫・抵抗力の向上、新陳代謝や血液循環の改善、自律神経を調整する作用、活性酸素除去作用、肝臓を始めとする内臓臓器の再生を促す作用などがあることが分かり、難病の治療などに使われるようになっています。

脳脊髄液減少症の治療では、プラセンタが含有する成長因子、線維芽細胞などの再生因子が、硬膜の髄液漏れを起こしている損傷部位を再生・修復するだけでなく、ダメージを受けた脳脊髄の組織も再生する効果が期待できるのです。プラセンタ治療は従来のブラッドパッチと併用することも可能で、またブラッドパッチに効果がなかった場合の治癒例も多くあります。

この治療に高品質コラーゲンを組み合わせると、治療効果を大きく高められることが分かってきました。

このような病態や治療法が確立していない病気では、多くの患者さんが「原因不明」「治療の効果が出ない」といったことで途方に暮れています。コラーゲンはこうした方々を救う可能性もあるのです。

ブラッドパッチで治癒しなかった脳脊髄液減少症が改善、社会復帰へ
H・Kさん(45歳男性)

2004年より体調に異変を感じ、心療内科で「うつ病」と診断されました。

当時の症状は、頭痛(常に痛い、または重い)、めまい、吐き気、睡眠障害(不眠、短眠、過眠が不定期に訪れる)、首・腰・背中などの痛み、疲労・倦怠感、気力低下、記憶力の低下、食欲低下、性欲低下です。ひどいときは朝起き上がれず、外出しても頭がぼーっとしてしまうような状態でした。体調に波があり、起きていられる時期は長くても1カ月ほどで、その後3カ月はそれさえもできません。

心療内科には1年通院しましたが、薬の影響がひどく、翌年会社に紹介された精神科で改めて診察を受けることにしました。ここでは「気分変調症」といわれました。

「脳脊髄液減少症」という病気の存在を知り、もしかして自分もそうなのではないかと思ったのは2007年です。

脳神経外科で検査をし、そこで初めて髄液の漏れが確認されました。ブラッドパッチ治療で一時的に頭痛が軽減したのですが、しばらくしたら元に戻ってしまったので、2010年に二度目のブラッドパッチ。直後は多くの症状が消えるのですが、やはり効果は長く続きませんでした。睡眠障害はいずれのときも改善なし。

布団から起き上がれず、次はいつ出社できるか自分にも分からない。わたしは会社員なので、これは大変苦しいことです。しかしブラッドパッチ治療は全額自己負担だったので、何度も受けるのは正直厳しいと感じていました(注・2012年に先進治療の一環として認められ、健康保険適用については現在議論中という状態です)。

わらにもすがる気持ちで本やブログで、同じ病気の患者さんの回復記を読み、勉強しました。そこでブラッドパッチを3回受けても効果が出なかったという方が多くおられること、生活習慣の改善、コラーゲンやプラセンタなどのサプリメントの摂取で改善した例が多くあることが分かったのです。市販のサプリメントでは効果が感じられなかったので、石井先生のクリニックに相談しました。

2回目のブラッドパッチから4カ月後(2010年11月)よりプラセンタ、コラーゲン、ナチュラルマリンコラーゲンを飲み始め、1カ月ほどで睡眠の質に変化を感じるようになりました。就寝時間、起床時間が安定し、夜には寝付いて、午前中もしくはお昼ごろには起きられるようになったんです。それに伴って、起き上がれない日が少なくなりました。小さな波はあるものの回復傾向期が3カ月以上続いたのは、これまではなかったことです。脳神経外科への通院(点滴)と並行して、コラーゲンとプラセンタを飲み続けるようになりました。

先生の指導で、症状を毎日5段階評価して記録するようにしたことによる効果も大きかったと思います。自分の体調変化を客観的に把握できるようになり、これまで悪いところにばかり目が行きがちで、良くなった部分を見ていなかったことに気付いたのです。

ただ東日本大震災直後は、また症状が重くなりました。当日、交通機関が止まってしまったため、2時間弱歩いて帰宅したせいだと思います。無理がたたり、その後1カ月あまり不調期になってしまったんです。しかし脳神経外科の先生のところで定期的に点滴を受け、コラーゲンを増量して続けたおかげか、以前よりもずっと早く回復することができました。それ以降は回復傾向期、不調期の波が小さくなり、不調期は以前ほど長く続かなくなっています。

今は、ほぼ欠勤なく出社しています。残業や出張など、まだ無理はしないよう努めている段階で、少し動き過ぎると午後になって体調が崩れることもあるので、会社員としてまだ100%復帰とはいえません。でも、着実な回復を実感しています。

ここまでこられたのは、おそらくブラッドパッチ治療とコラーゲン、プラセンタの総合的な効果のおかげでしょう。もっと早く知っていたら、苦しい日々が短縮されたのではないかと今になって思います。

脳脊髄液減少症は、ポピュラーなブラッドパッチ治療でも顕著に改善するのは約3割という状況だそうです。わたし以外にも、この病気であることに気付いていなかったり、治療法が分からなかったり、サプリメントの良しあしが判断できず、困っておられる方も多いと思います。わたしの闘病体験が、少しでも同じ病に苦しむ患者さんの参考になれば幸いです。

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