ウェルネスコラム「高品質のコラーゲンを見極めることの重要性」

ウェルネスコラム

書籍連載

【第3章】健康を維持する強い血管のつくり方
高品質のコラーゲンを見極めることの重要性

血管を健康にしないコラーゲンに要注意!

臨床研究を通じ、わたしは素材によって血管の若返り効果が大きく異なることを知りました。今やコラーゲンはちょっとしたブームになっているようですが、市場に出まわっているコラーゲンすべてに血管の若返り効果があるわけではないのです。

がんと診断されたらANK免疫細胞療法

血管が若がえれば
健康寿命はのびる

高品質なコラーゲンを用いると動脈硬化などで医薬品に勝るとも劣らない効果が出ます。

その一方で、粗悪なコラーゲンのなかには効果がほとんど認められないものも多いのです。

一例を挙げましょう。魚皮から採れたコラーゲンと、魚のウロコから採れたコラーゲンを患者様に飲み比べてもらうと、その効果や体感にはっきりと差が出るのです。しかし、最初はその理由が分かりませんでした。

「効いたという人がいるのなら良いのではないか」

もしかしたら、こんなふうに思われる方もいるかもしれません。しかし、効いた人がたくさんいても、それだけでは科学的な根拠としては足りないのです。プラセボ(偽薬)効果ということも考えられるからです。

プラセボ効果とは、まったく効果のない偽薬であっても、患者様に「効く」と思う心理が働くと、最大30%の確率で効果が生まれてしまうというものです。そのため、新薬の効果を判定する臨床試験(治験)では、本物の薬と、薬に見せかけた偽薬(うどん粉などを詰めたカプセルや錠剤)をランダムに混ぜ、実薬群からプラセボ群の効果を引いたものだけを真の薬効(その薬の効果)として評価します。その差が統計的に有意なほど大きくなければ、新薬として認可されません。

アガリクスのような健康サプリメントについて、「効いた」「いや効かない」といった議論が起こってしまうのは、このプラセボ効果があるためです。効果がないはずのサプリメントでも約30%の人にはある程度の結果が出てしまうのです。

コラーゲンも医薬品ではなくサプリメントとして販売されています。そのため、効果を判定するための臨床試験などは不要です。わたしは、様々な製品のなかで血管の健康に効果のあるものとないものとを区別する方法を見つけるために研究を始めました。

注目したのはコラーゲンの分子量と素材、そして製法です。

まず分子量から見てみましょう。

コラーゲンというたんぱく質は、ひじょうに分子量の大きな物質です。簡単にいえば分子のひとつひとつが大きいのです。分子はコラーゲンという物質がその性質を保てる最小単位ですから、それ以下の大きさに粉砕することはできません。

ですから、皮膚に塗るタイプのコラーゲンには注意が必要です。

皮膚の組織から内部に浸透するには分子が大き過ぎるので、皮膚組織そのものを改善することはできないのです。肌に塗ったときに実感できるのは、表面の保湿効果に留まるでしょう。

これに対してコラーゲンを口から摂取した場合は、体内で消化酵素により分解され、アミノ酸(プロリン、ヒドロキシプロリンなど)とアミノ酸数個のペプチドになりますから、腸管から吸収可能です。

ところが、コラーゲンの原料によって、この分解から吸収という体内の反応に差が出ます。

市販されているコラーゲンの原料は動物と、魚に大別することができます。動物は牛・豚・鶏などがありますが、BSE問題以降、牛は使用されなくなり、大半は豚皮となります。魚は、天然白身魚の魚皮や、養殖ティラピアのウロコなどがあります。

それでは、原料の違いによる反応の差を見ていきましょう。

体内の消化液によるコラーゲンの分解量の違いの図

動物由来と魚由来、それぞれのコラーゲンの分子量を同じにして、体内の消化液によってどの程度プロリン、ヒドロキシプロリンが分解できるかを比較した実験があります。2003年に焼津水産化学工業により発表された学術データ(Food Style212003.2 85-88)によれば、上のグラフのように、豚コラーゲンは魚コラーゲンの7分の1しか分解されません。動物由来のコラーゲンの方がプロリン、ヒドロキシプロリンは豊富に含まれています。ところが、その結合力が強過ぎるため、体内の消化液では十分に分解できないのです。その結果、人間の体内においては、プロリン、ヒドロキシプロリンが少ない魚由来のコラーゲンの方が、腸管からの吸収率が良くなるといえます。

もうひとつのポイントはコラーゲンに使う魚の部位と精製法です。

魚由来のコラーゲンには、主に魚皮を使っているものとウロコからつくるものとがあります。

現在、市販されている魚由来の大半はウロコが原料で、ウロコの大きいティラピアというアマゾン原産の淡水魚を中国で養殖したものが使われています。これに対して、魚皮が原料となる場合は、天然の白身魚、ティラピア、サケが使われています。中国産ティラピアのウロコは価格が安く、天然魚皮の3分の1以下です。

豚皮よりも更に低コストで済むので、広く使われるようになっています。

ところが、わたしの臨床研究では、低コストのウロコが原料のコラーゲンよりも、天然の魚皮を原料にしたコラーゲンの方が明らかに有効だという結果が出ています。

その違いは、精製の過程にありました。

魚皮は1枚ずつ手ではぎ取り、加熱・酵素処理を施して、コラーゲンを抽出します。

一方、ウロコは硬いので、加熱や酵素処理ではコラーゲンを抽出できません。その前に強塩酸でウロコそのものを溶かす必要があるのです。

塩酸を用いることで、大きな問題が2つ発生します。

ひとつ目の問題は残留塩酸。口に入れるものですから、サプリメントとして、この問題は無視できるものではありません。

更に重要なのは2つ目です。

コラーゲン抽出の過程で、塩酸を用いた際にコラーゲン自体が破壊されて、生理活性が大きく低下してしまうという点です。

わたしはプラセンタの臨床もしているのですが、塩酸で処理していない「埋没用製剤」は、塩酸で処理する「注射用製剤」に比べ数百倍の濃度があることが知られています。

ある製薬会社の担当者は、塩酸処理によってプラセンタの成長促進因子のアミノ酸が破壊され、活性が失われる(失活する)のではないかと話していました。

コラーゲンでも、このプラセンタと同じような現象が起こっている可能性があります。

先にも紹介した、コラーゲン研究の第一人者である東京農工大学名誉教授・藤本大三郎先生もウロコ由来のコラーゲンに関して、

「ウロコのコラーゲンは、塩酸処理によってコラーゲンのペプチド結合が壊れて失活するのでしょう」

という見解を記されています。

わたしもその通りだと思います。

先にも解説しましたが、やはり体内におけるコラーゲン合成では、プロリンとヒドロキシプロリンのアミノ酸ペプチドが活性化の鍵を握っているようです。その立場からみると、ウロコ由来のコラーゲンは塩酸処理によって、その活性が失われてしまっていると考えられるのです。

健康な血管をつくるコラーゲン3つの条件

少し専門的になってしまったので、品質の良いコラーゲンを見分けるポイントをもう一度整理してまとめておきましょう。

血管を健康にするコラーゲンとは、次の条件を満たすものです。

1.高吸収率
動物由来よりも魚由来の方が、吸収率は高い。

ただし魚由来でも、魚皮が原料のものに比べ、ウロコを原料としているものは塩酸処理によって生理活性が極端に下がってしまうため、医療効果は期待できない。

天然の魚皮を原料とするものが良く、赤身魚より白身魚の方が良い。

(例えば「フィッシュコラーゲン」といった漠然とした表記のみで、詳しい原材料が明記されていないものは、ティラピアのウロコを原材料としている傾向にあります)

2.安全性
100%天然の素材が良い。

養殖魚が原料の場合、ほとんどが中国産のティラピアのため、生育環境や餌の中身など信用できない部分が多い。

3.エビデンス(科学的証明)
科学的根拠があること。

特定保健用食品、特許、学術論文などで確認できればベストです。

健康な血管を取り戻すために、毎日口にするものですから、この3つはいずれも欠かせないチェックポイントです。

日本には薬事法、健康増進法、景品表示法という法律があるので、記載内容に偽りはないはずです。少々面倒かもしれませんが、明記されていない場合は製造元のお客様相談室に問い合わせてみるのが確実です。

【次のページ】医薬品を超える効果を持つ高品質コラーゲ...

【前のページ】血管とコラーゲンの深い関わり

目次へもどる

がんの相談センター

ご相談・資料請求はこちら