コラム「老化コラーゲンが動脈硬化の真の原因」

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【第2章】知らないでは済まされない血管の役割
老化コラーゲンが動脈硬化の真の原因

「健康」な血管と「不健康」な血管の違い

血管内のプラークができるメカニズムについて、簡単に解説しましょう。血液中の過剰なコレステロールを主な原因とする学説が一般的ですが、これからご紹介するのはわたしの臨床研究に基づく「老化コラーゲン仮説」です。これは血管に注目した仮説です。

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血管が若がえれば
健康寿命はのびる

まず血管の構造を見てみましょう。

血管は下の図のように外膜、中膜、内膜の三層構造になっています。その素材は大血管ではコラーゲンとエラスチン、毛細血管は一層で、ほぼ100%がコラーゲンです。たんぱく質の一種であるコラーゲンが肌のハリやツヤに欠かせないということはご存知の方も多いでしょう。しかし、それだけではありません。皮膚以外に、骨、軟骨、腱、靱帯、血管、内臓を含む膜、眼球など、人体を構成するたんぱく質の実に30%はコラーゲンなのです。靱帯や腱の材料になっていることからも分かるように、コラーゲンはひじょうに弾力性のある強い素材です。大血管の三層のうちコラーゲンが最も多く含まれるのは中膜です。

血管の構造断面図

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血液に直接触れている内膜は、生活習慣によって日々傷ついています。酸化した悪玉コレステロールは白血球に含まれる喰細胞(マクロファージ)が食べてくれるのですが、その死骸が内膜を傷つけてしまうのです。しかしその外側には弾力性のある中膜があります。コラーゲンは常に体内で合成され、古くなるとすぐに入れ替わりますから、この傷を修復することができるのです。

ところがコラーゲン代謝は25歳ぐらいがピークで、20代後半になると、体内コラーゲン量は減少していきます。まさに「お肌の曲がり角」と呼ばれる年代です。

このとき、血管では何が起こるのでしょうか。

年齢を重ねてコラーゲン合成が低下してくると、新陳代謝が悪くなって、新鮮なコラーゲン供給が遅れ、血管内に古くなったコラーゲンが残るようになります。これが「老化コラーゲン」です。

動脈硬化の原因は血液ではなく血管にあった

老化コラーゲンは本来のコラーゲンと比べ脆弱なものです。弾力性も柔軟性も弱いため、ひげ状の繊維ができます(架橋形成)。動脈硬化は、動脈硬化炎ともいわれ、炎症により傷ついた内膜から、このささくれだった部分が血管内に露出すると、血液中の血小板やコレステロールがまとわりついてプラークが形成されるのです。

分かりやすく図解すると下の図のようになります。

このように考えると、加齢によって血管がボロボロになり、動脈硬化のリスクが高まる理由をはっきり具体的に理解することができると思います。

またこの老化コラーゲン仮説は、従来のコレステロール学説を否定するものでもありません。むしろ血管に注目することで、コレステロールがプラーク化するメカニズムが分かりやすくなり、根本的な解決策を見いだすことが可能になるのです。

不健康な血管でプラークが形成される仕組みの図

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