ウェルネスコラム「生活習慣病と血管」

ウェルネスコラム

書籍連載

【第1章】あなたの寿命は血管の健康が左右する
生活習慣病と血管

血管の老化を加速させる糖尿病

血管の老化は、生活習慣病とも深い関わりがあります。現代人特有の「生活習慣病」の代表格である糖尿病・脂質異常症(高脂血症)・高血圧症は三大死因の発生リスクを高めることで知られています。高血圧と血管の関係については先ほど触れましたので、残りの2つについて見てみましょう。

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血管が若がえれば
健康寿命はのびる

糖尿病はインスリンの分泌が弱まり、血糖値が高い状態のままになってしまう疾患です。この病気が恐ろしいのは、自覚症状がほとんどないまま、様々な合併症を引き起こす点です。

糖尿病の主な合併症として眼底出血、心筋梗塞、脳卒中、腎不全、つま先の壊疽(えそ) などが挙げられます。これはすべて血管がらみの疾患です。

つまり血糖値の高い血液によって、老化した血管が更に劣化することで発生リスクが高まるのです。

酒豪で知られた歌手の故村田英雄さんは糖尿病になっても酒をやめず、結局、壊疽で膝から下の足を切り落としたそうです。しかし、このように足を切断すれば大丈夫ということではありません。壊疽が起こったということは、その時点で既に全身の血管がボロボロなわけですから、その状況が改善されない限り、長く生きることは難しいのです。

かつて人工透析といえば腎臓の病気の方が受けるものでした。

しかし最近、新規に人工透析を開始するのは糖尿病から腎不全を併発した患者様が多くなっています。腎臓という臓器は血管のかたまりです。この場合も、老化した血管が糖尿病によって更にボロボロになってしまったために、腎機能が低下したのだといえるでしょう。

透析によって腎機能は補えますが、血管の状態を改善したり、生活習慣を変えたりしなければ、血管はますます衰えてしまうでしょう。

その結果、純粋な腎不全の患者様に比べ、糖尿病由来の方は透析開始後の寿命が短いという特徴があります。

脂質異常症で血液がドロドロになる

脂質異常症は血液中に含まれる脂質が過剰だったり、不足する病気です。主に問題になるのは過剰な場合で、かつては高脂血症とも呼ばれていました。よく使われている「ドロドロ血液」といえばピンとくる方もいるのではないでしょうか。

脂質異常症は動脈硬化との関わりが指摘されており、心筋梗塞や脳卒中のリスクを高める病気として早期発見・治療が進められるようになりました。これはコレステロールを動脈硬化の主原因と見なす「コレステロール学説」に基づく考え方で、血管内のプラーク(垢)の主原因を過剰なコレステロールと血小板と見なし、その解消によって動脈硬化と血管の詰まりを治療しようというものです。つまり、プラークをつくる原因をドロドロ血液と考えて、この血液をサラサラにすることで、病気を予防・改善しようという考え方です。

そのため、多くの医療機関では、高脂血症薬を用いて、血中の脂質濃度を下げてサラサラにする治療が行われています(血小板の詰まりの場合は抗凝固薬を用いた治療を行います)。

ところが、この治療で血中のコレステロール値が下がってサラサラになった患者様でも、動脈硬化が進行してしまうケースが少なくありません。血液はサラサラで血液中の脂質に異常がない患者様でも、頸動脈エコーによりプラークが認められるという症例が数多くありました。

つまり、血液がサラサラかドロドロかという状態に関係なく、プラークができてしまう方がいるのです。

なぜでしょうか。

わたしは血管そのものが劣化したままでは、いくら血液の成分を改善しても、根本的な解決にはならないからだと考えています。

動脈硬化を引き起こす主原因は、血液の状態ではなく、その通り道である血管の老化にこそあるのです。

また、血流の滞りは、わたしたちの身体に備わっている自己治癒機能・免疫機能も低下させてしまいます。その意味では血管の老化は、ほとんどすべての病気発生リスクを高める問題だといっても過言ではないでしょう。

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