ウェルネスコラム「血管年齢って何?」

ウェルネスコラム

書籍連載

【第1章】あなたの寿命は血管の健康が左右する
血管年齢って何?

血管年齢で血管の健康状態がわかる

血管の健康状態を知る指標として、近年注目を集めているのが「血管年齢」です。これは、動脈硬化がどれだけ進んでいるかを検査によって調べ、平均的な数値と比較して、血管の年齢としてあらわすものです。若く健康的な血管はひじょうにしなやかで、血液も滞りなく流れています。しかし加齢や生活習慣によって劣化すると、徐々に硬くなっていきます。

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血管が若がえれば
健康寿命はのびる

血管の内壁にプラーク(垢のようなもの)が付着し、通路が狭くなり、血液も流れにくくなってしまいます。やがて血管は弾力性を失い、もろくなってしまいます。この状態が、動脈硬化です。

動脈硬化に自覚症状はほとんどありません。しかし放置していると、ある日突然、脳卒中や狭心症、心筋梗塞といった恐ろしい病気を引き起こします。

まだ若いから関係ないと思われた方もいるかもしれません。しかし、外見の老化に個人差があるように、 血管の老化にも個人差があります。なかには、血管の老化が進行し、30代にして血管年齢は実年齢よりはるかに年上の50代になっているという方もいるのです。

いくら健康に気を使っていても、血管そのものが正常に機能しなくては、心疾患や脳血管疾患による死のリスクを高めてしまいます。

日常生活で健康に気をくばるよりも前に、大前提として、血管年齢をはじめ自分の身体の状態をきちんと把握しておきましょう。

正しい血管年齢がわかる方法

血管年齢を知るための測定方法ですが、最近では人間ドッグなどの検査で血管年齢測定のできる医療機関も増えています。

最も簡易的な検査はABI(Ankle Brachial Pressure Index 足関節上腕血圧比)検査というもので、ベッドで横になって両腕と両足首の4カ所同時に血圧を測ります。通常、足首の血圧は腕の血圧と同じか少し高いのですが、下半身で動脈硬化が進んでいればその比率が違ってきます。また左右の血圧差も重要です。これらの数値から動脈硬化の進行具合を判断します。

もう少し精度の高い検査法がPWV検査です。PWVとは(Pulse Wave Velocity脈波伝播速度)の略で、血管のしなやかさを調べるものです。

硬い物質ほど、振動が速く伝わるという物理法則をご存知でしょうか。PWV検査はこの法則を利用しています。

心臓がポンプのように伸縮することで、血液は血管内に送り出されます。このとき、心臓から押し出された血液によって生じる拍動(脈波)の伝わる速度(PWV)を測定することで、血管のしなやかさがわかるのです。健康な血管はしなやかですから速度が遅くなります。これに対して動脈硬化が起こっている血管は硬く、速度が速くなるのです。

ABIやPWVといった検査でも推定の血管年齢は知ることができますが、現在では、補助的な検査となりました。なぜなら、血管の硬さとプラークの有無とは、実は相関関係がないことが医学的に明らかになったからです。

これらの検査に代わって、主流となりつつあるのが頸動脈エコー検査です。

頸動脈は、首に位置する脳へとつながる太い動脈のこと。超音波を使って、この血管内部の様子を直接観察し、動脈硬化の状態を把握するものです。

血管年齢の測定はもちろんですが、血液の詰まりの原因となるプラークの有無や、その厚さまで知ることができる検査です(プラークについては、詳しくは次章で解説します)。

超音波装置による頸動脈エコーは、動脈硬化の進行度を把握できる検査として、日本循環器学会でも臨床的に重要な指標と認定されています。

ただし、この検査には熟練の技術が必要で、検査技術のない循環器科の医師も多数存在しています。これは、循環器専門といってもカテーテル手術などの心臓治療ばかりに注視し、血管を視野に入れている医師がまだまだ少ない状況をあらわす一例でもあります。

このように、ポンプ(心臓)にばかり集中して、 その先に続いているインフラ(血管)を無視しているというのは、手抜き管理といっても過言ではないでしょう。

現代人は血管年齢の高齢化が進行している

先述したように、現代人は実年齢よりも血管年齢の方が高いという方が増えています。
辛いものや脂っこいものなど、刺激や脂肪分の多い食事が影響しているのではないかといわれています。

血管年齢は、自分の身体の実際の年齢を知る重要な指標です。わたしは生まれてからの年齢よりも、血管年齢の方が健康な生活を営むうえでずっと有効な目安になると考えています。

身体の年齢を知る指標は他にもいくつかありますが、もうひとつ挙げるとしたら骨年齢でしょう。

寝たきりになる高齢者の多くは大腿骨の骨折が原因となっています。骨折をしても直接生命に関わることはありませんが、日常の動作や運動が難しくなり、健康寿命を損なう可能性が高いといえます。

30代にして血管年齢は50代など、実年齢よりも血管年齢の高い方が増え続けている現代にあって、わたし自身についていいますと、現在66歳にして、血管年齢も骨年齢も20〜30代を維持しています。

その秘密については、後で詳しくお話ししますが、見た目の若返りを考える前に、身体のなか、血管年齢や骨年齢からアンチエイジングに取り組むことを提案します。

身体の内側からのアンチエイジングこそ、実は若返りへの近道であると断言できるからです。

自分の状態を知るためにも、まずは人間ドックなどの検査の際にメニューを確認し、血管年齢と骨年齢を積極的に測定してみてはいかがでしょうか。

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